このたび国からの介護制度メニューで、岐阜市も24時間介護サービス事業をモデル事業としてスタートすることになりました。(岐阜市議会補正予算の採決は来週27日の最終日に決まる予定ですが)
厚生委員会にて次のような意見を述べました。
「法改正も含めた今回の介護看護の24時間体制サービスの事業は、施設介護から在宅介護への流れを取り込んだものでさることは明らかではあるが、介護保険制度の根本的な解決への一助となるかは極めて疑問の残る所です。介護サービスの拡大とともに制度の財政拡大のギャップを埋めるという課題解決にあたって、事業そのもののサービスそのものが効率的に実施されるかどうかが、新規事業の実施に当たっての要諦だとすれば、今回の事業体制が必ずしも効率的なものでないと思われます。例えば、50人の介護者に対し、3交代といえども21人もの職員体制が張り付けられる人的ロス、30分圏内という移動の限界とそれにかかる時間的ロス、それに係るサービスの費用対効果など、介護に当たる効果的な介護サービスであるとは思われません。こうしたことが、結果として財政を圧迫していくような結果ともなりかねないのです。
介護サービスの充実からの在宅介護への移行という理念は理解できても、あまりにも実情とかい離した机上の政策では、いずれは破綻してしまうのではないかと危惧します。また、財政の肥大化という課題も決して忘れてはならず、木を見るだけではなく森を見る大局的な見地で事業を判断してなければなりません。
いずれにせよ、モデル事業から本格的実施の移行に当たっては、事業そのものの課題を明確にし、他の事業との整合性も図り、安易な事業実施にならないようしっかりとした体制を確立していただくことを望みます。」
結局のところ、財政規律のための新たな政策が、現実とかい離した実行となる懸念が大きいということではないでしょうか。こうすればこう動くであろうという思い込みの強い上から目線の政策は、現実の場面において実質的に行動・対応できるかどうかは、はなはだ疑問であり、設計制度の戦略ミスとなりかねません。負担だけを地方に押し付けてしまうような結果にならないことを望みます。
以上