民主主義の罠ともいうべき政治の硬直化が問題となっているような気がしてならない。これは、政治家が悪いとか、今の制度や政策が問題であるとか、国民が悪いとか、そういう問題ではないのではないか。
たとえば、政治家は国民の目線に立って全体像を示していない、という批判がよくある。しかし全体像を示せば明らかに国民に負担・痛みを伴う政策が必要になる場合、それで国民は納得、理解を示すであろうか。
政治家は、選挙で当選しなければ仕事ができない。当然有権者の思いを反映しなけれ政治家として活動できない以上、有権者を代弁することとなるが、その活動は必ずしも全体の国益に沿うものであるかどうかというジレンマに陥る。よく言う総論賛成でも各論反対となってしまうのである。
その解決方法としての弊害は、ポピュリズムであり、一方では独裁ということになるのであろう。
政治家の資質は問われて当然だと思うが、このように硬直せざるを得ない民主主義というものをどの程度考えるべきであろうか。政治制度論なのか、リーダーシップの問題か、個々の政策については、人口減少社会、少子高齢化社会という前提で、議論を進めることは極めて重要であると思うが、問題を一緒にしてしまうと硬直化はますます進むのではないだろうか。
以上