狭山丘陵(所沢市・埼玉県)には豊かな森が残り、果樹園、野菜畑、民家が点在し、その間を縫うように道路が伸びている。
20年来、ここの自然に魅せられて、写真を撮り続けている友人がいる。
「芝桜がいいよ」と誘われ、彼の案内で出かけた。
目に染みるような新緑の季節であり、歩いていて実に気持ちが良い。
衰えた脚を励ましながら、緩やかな斜面のアップダウンをこなし、目に写る景色を楽しむ。
しばらく歩き、友人が懇意にしている方の畑に案内してもらう。
90を過ぎて、なお畑仕事をされているという話を聞き、日ごろ怠けているわが身に”カツ”を入れる。
野菜や花とともに、丹精された芝桜が咲き誇っている。
さらに先に進み、ブドウやミカンを栽培さている農家にたどり着く。
果樹の植えられた畑に並ぶ広い緩斜面に、一面に広がって芝桜が咲いている。
盛りをやや過ぎてはいるが、まだまだ見頃と言える。
腰を下ろし、しばし、赤、ピンク、白、紫の織り成す景色を楽しむ。
人の手の入った花を楽しむ一方、手つかずの自然にも触れる。
一歩森に踏み入れ、雑木や野草を観察して、互いに知っている花の名前を教え合って歩くのも楽しい。
生い茂る林の中に、山つつじの赤が鮮やかである。
時々、狭山丘陵を訪れてみて、この豊かな自然がいつまでもこのままであってほしいと願う。
都心からそう遠くない貴重な森である。
森林浴により、澄んだ空気で肺の中はすっかり洗浄された。
呼吸器に次いで消化器系の洗浄も必要であろうと、アルコールを求めて居酒屋へ・・・。
いつものパターンである。