GWの真っただ中、観光地の混雑のニュースを観ながら、こんなことを考えている。
旅に出たとき、そこに「朝市」があれば、たとえ何も買わなくとも覘いてみる楽しさがある。
それも、人の行き交うなか、威勢の良い言葉が飛び交ってこそ朝市の楽しさであろう。
新型コロナの感染拡大後は、朝市を訪ねても、想像以上に人が少なかったので驚いたものである。
輪島(石川県・輪島市)の朝市に行ったのは、昨年のことである。
通りにびっしり並んでいるはずのお店(屋台)は、櫛の歯が抜けたようであり、お店をひやかして歩く客の数は少なかった。
あるお店の女将さんは「今日も、ここも、ここも来ていないね」と、左右の空いたスペースを指した。
「コロナが流行ってから、すっかり客が減ってしまってね」とあきらめ顔であった。
今年になって、呼子(佐賀県・唐津市)の朝市にも期待して行ってみた。
ここも三大朝市のひとつとも言われるが、拍子抜けするほど静かだった。
「朝市通り」に一軒出ていた干物を売るお店の方に、「こんなものですか?」と尋ねてみた。
「ええ、平日はこんなものです」ということであった。
先月のこと。
「三八の朝市」(新潟県・直江津市)は、三と八のつく日に開かれる朝市。
三のつく開催日であったが、会場となる「三八朝市通り」は出店も少なく人もまばらであった。
新型コロナは、各地で開催されている「朝市」にも影響していることが見て取れた。
朝市は単なる観光スポットとは異なり、一定の人出があってこそ訪れてみたくなるところである。
旅行好きの一人として、コロナ以前の賑わいに戻った朝市を思い描いている。