お正月休み、久しぶりに家族全員揃ったところで「コタツ」のリクエストが出た。
ㅡㅡこれが無くなれば、部屋はすっきり、頭もすっきり、
動きは活発になって、どんなにか仕事の能率も上がるだろうㅡㅡ
年配の人なら誰もが知っているこの思いが日々強くなって、部屋の改装を機に暖房器具を取り換えたのは、太郎の通学問題を境にひとり暮らしの生活に切り替えた時だった。
部屋いっぱいスケッチブックや大下絵を広げる
案ずることなくいくつもの絵皿を重ねる
右にも左にも自由にパネルを移動させる
疲れたらどこの空間にでもゴロンと寝転んで足を伸ばす
そして炬燵の味は堪能されて忘れ去られ、暖房は隅々にまで行き届いて、子供たちの声も聞こえぬ静けさをさして淋しいとも思わず、白い天井に夢を描いていた。
それから10年余も経っている。
年末の整理時、処分に迷いながらひとまず残しておいた古い炬燵一式。
押し入れの隅から引っ張り出して組み立て、下敷き、中敷きと、何やらタイムスリップする感覚のなかでスイッチをひねった…
小さな歓声が上がった
見るからにあったかそうな赤い光
懐かしい
覗き込むといくつもの足が窮屈そうに交差している
穴の中で冬ごもりする一家のイメージ。
窓ガラス一枚隔てた外に、たとえ物語の中のような雪の舞う別世界が広がっていたとしても。
炬燵を囲んで冬眠するのもゆったり休暇を楽しむ1シーンであってふさわしい。
最近になってようやくお正月を振り返る余裕が出てきた。気づくとみんながいなくなって、炬燵だけが残っている。
一人の食卓を片づけて、いそいそもぐりこんだ。
これが無くなれば、部屋はすっきり、頭もすっきり
動きは活発になって、どんなにか仕事の能率も上がるだろうに。
・・・・ あれ?
ㅡㅡこれが無くなれば、部屋はすっきり、頭もすっきり、
動きは活発になって、どんなにか仕事の能率も上がるだろうㅡㅡ
年配の人なら誰もが知っているこの思いが日々強くなって、部屋の改装を機に暖房器具を取り換えたのは、太郎の通学問題を境にひとり暮らしの生活に切り替えた時だった。
部屋いっぱいスケッチブックや大下絵を広げる
案ずることなくいくつもの絵皿を重ねる
右にも左にも自由にパネルを移動させる
疲れたらどこの空間にでもゴロンと寝転んで足を伸ばす
そして炬燵の味は堪能されて忘れ去られ、暖房は隅々にまで行き届いて、子供たちの声も聞こえぬ静けさをさして淋しいとも思わず、白い天井に夢を描いていた。
それから10年余も経っている。
年末の整理時、処分に迷いながらひとまず残しておいた古い炬燵一式。
押し入れの隅から引っ張り出して組み立て、下敷き、中敷きと、何やらタイムスリップする感覚のなかでスイッチをひねった…
小さな歓声が上がった
見るからにあったかそうな赤い光
懐かしい
覗き込むといくつもの足が窮屈そうに交差している
穴の中で冬ごもりする一家のイメージ。
窓ガラス一枚隔てた外に、たとえ物語の中のような雪の舞う別世界が広がっていたとしても。
炬燵を囲んで冬眠するのもゆったり休暇を楽しむ1シーンであってふさわしい。
最近になってようやくお正月を振り返る余裕が出てきた。気づくとみんながいなくなって、炬燵だけが残っている。
一人の食卓を片づけて、いそいそもぐりこんだ。
これが無くなれば、部屋はすっきり、頭もすっきり
動きは活発になって、どんなにか仕事の能率も上がるだろうに。
・・・・ あれ?