自然はともだち ひともすき

おもいつくままきのむくままの 絵&文

次郎の宿題

2010年10月05日 | 絵と文
 現代では珍しくもないようだけど、高校男子の夏休みの宿題に「パン作り」ですって。
 しかもパン焼き器など使わず純然たるお手製で。
 次郎の非日常の一端を、息子がメールで送ってくれたのもまた珍しいことでした!

 「男子も厨房に入るべし」
 はるか昔、男性優位の時代から高々と掲げたはずのモットーに反して、
 孫の太郎も次郎も台所の一角はまるきり未知の領域です。




   “何でオレ様は板前にならなかったんだろ?”
 生きてた頃の祖父ちゃんが、台所で包丁片手に幾度となく大げさに慨嘆してました。
   “モーレツ社員か、でなければぐうたら亭主のどちらかになる“
 とのたまうた息子は、嬉々として我が子太郎と次郎の食育に専念したから、たぶんぐうたら亭主と成り果てたんでしょうけど、どちらもアルコールの伴奏つきがなければ聞けないセリフでしたっけ。

 お酒が入ると気軽に台所に立ったお祖父ちゃん、いつかふっと好みの味が変わったと気付いた時は、もう手遅れ。
 代わって息子の出番が来たときは、ニューフェースの太郎次郎が大喜びです。
 それはそうでしょう、食材も調味料も産地から取り寄せては思い切りふんだんに、月末の赤字なんてどこ吹く風の大盤振る舞いですもの
 おまけにあと片付けがもう、しんどいこと。
 幸か不幸か、太郎も次郎も何の不満もなく育ってしまったから、モットーははるか遠くに置き忘られ…



 そして、この通り。
 小さな台所に、体ばかりデカい次郎が立てば、見てるこちらの方がめまいしそうな不安定感と
 ややあって、それがまたなんとも言えずユーモラス。


 ご本人は大まじめ
             




 あら、ら、…  なにやってるの
 

 




 さて、生まれて初めて、次郎お手製パンの味は、どうだったんでしょう?

 残念ながらそこまでの報告は、ありません。