2020/07/22 出荷
この時期、漁師達は ホンマに大変
釣り人は 釣れたら 目的が成立できるけど
漁師は お金になって初めて 完結する
それが この長雨で魚がへろへろになってお金にならない!できない!!
オイラも 出荷するが釣れた魚の 5割がお金になるくらい
後の5割は ほとんどダメ
全部活かして放血、神経締めしても、「カチコチじゃダメよ」
と言われる。
もー意地しか無い
オイラが求める釣の最大の喜びは 価値ある美味い魚
100匹釣れたとか 1mが釣れたとかは どーでもエエは無し
1匹 30cmの真鯛でも 50cmセイゴでも市場で最高値が付くこと
冷凍設備も無ければ、MICRO Bubble装置も無いオイラが 最高値を付ける
そのためには どーすれば良いか
数日前に出荷した 鱸は 1時間前まで泳いでいた80 Overの立派な鱸
しかも かなりのデブ
Lureで仕留めた上物
そー網で捕った身焼けしている魚では無い
暴れること無く素早く取り込んで、いけすで寝かせた物
市場に出す、ホンの1時間前に絞めた上物だけど、24時間寝かせていないと ダメ
さらに 48時間 水温の低い、水深10m以上深い場所で寝かせれば良いのだがそんな保管場所は無い
良く「釣たてが美味い」とか言われるが、そんな次元では無い
1時間前に絞めた魚が二束三文の価値しか無い
こんなアホな仕事 誰もしない
せめて 魚を捕る漁師に、「すんませんね!値が付かなく」と一言 敬意を見せてほしい
「活かさないとダメよ」と言われてもこの梅雨時期、直ぐに弱る
もー市場には出せないと毎回思うが、これで逃げたらそれまで
冷温保管する場所も無い
どーすれば値が付くのか?
魚を釣るだけなら誰でもできるが、価値ある魚を世に送り出すことが、できる漁師はほとんどいない
さらにヤレンのが、実績
夢丸鱸は、「身焼けしていない!」「48時間寝かせて神経締めも完璧」と名前だけで知れ渡らなければダメ
そー1時間前に絞めた 鱸では到底 最高値には 到達できない
何回も何回もPerfectな魚を出さないとダメ
1kg 500円の鱸ではダメ
1kg 2600円の鱸に仕上げないとダメ
まー自分で決めた仕事
嫌なら止めて逃げればエエだけ
笑われれば 笑えばエエ
馬鹿にするなら馬鹿にすればエエ
ホンマこんな厄介な仕事他には無い
しんどい仕事をすれば必ず 見返りはあるはず
しかし、それが分からないのが 漁師の仕事
現実 毎日最高値を付ける 漁師がいること
そしてオイラみたいに凹んで愚痴るヘボ漁師もいる
雨水のせい!!高水温のせい!市場のせい!と言い訳は何でも言えるが、現実は現実
全部 自分の行い、考え方、
100匹の魚では無く
最高値を出したらオイラの釣は満足できる
Ps
この日の鱸 なんと ウナギの日(土用の丑の日)に出荷してしまった
48時間寝かせたが、今回も中の上の値が付いた。
普通なら、この土用のウナギの日は ウナギしか扱わない、特別な日だった。
鱸の日があればエエが!!