Counting Blessings

シンガーソングライター Yumiko Beckの
活動やあれこれ。

石巻ふたたび。

2012年08月19日 | 日記
昨年の夏にうかがった石巻市の新館に
今年もまた行って来ました。

この地区にはサマリタンズ・パースという団体が
震災直後からずっとボランティアで入って、家の修復をしています。

津波ですっかり浸かってしまった部分の床板や壁をはがし、
中にまで入り込んだ泥を掻き出してキレイに洗い、
再び断熱材を入れて、床や壁のコンパネを張る所までを無償でやります。
そこから先はその家の主が、大工さんに発注して内装をするのだそう。

このようなボランティアを受けるに当たり、
被災した方は別にどこかに登録するとか、そういう手順を踏むのではなく、
多くの場合途方に暮れながら、それでも出来る場所を、と
避難所から通って庭などを片づけていたら、

「お手伝いしましょうか?」

と声を掛けられ、それが始まりだったと言うのです。
或いは、既にボランティアが入っていたお宅からのクチコミとか。

想像してみると、何だか不思議な話ではないですか?
普通に常識で考える段取りじゃないですよね、全くもって。

あるお宅は、既に内装も出来上がり、
新たにバリアフリーにしたおうちで新生活を送られていました。
畳の間をフローリングにし、前より使いやすくなったそう。
美しく手入れされた庭が印象的でした。

あるお宅は、現在内装の大工さん待ちだそうで、
まだ別の場所に住んでおられます。
でも、キレイにコンパネを張った状態で待てるから、
全く違う、希望がある、とおっしゃっていました。
お庭の手入れにせっせと通っていらっしゃってます。

別のお宅は、今ちょうど修復作業中。
ボランティアの面々が毎日何人も通って来ていました。
床の下には、まだまだ地面が見えています。


Photo by Daniel Beck ©2012

一年と5ヶ月経った現在、個々のケースで状況が全く異なっていました。

自宅の修復は諦めて、更地に戻し、別の場所で新生活を始められた方もいます。
或いは、元の自宅を修復して戻るのか、未だ決めかねておられる方も・・・。

被害の状況、それぞれの思い、すべて違うのだなぁ、と。
それでも、地域の皆さんの笑顔がとても印象的で、力強さを感じました。

wingsの高奈秀匡&美香夫妻と一緒に野外でコンサートを。


Photo by Daniel Beck ©2012


Photo by Daniel Beck ©2012

そして、サマリタンズ・パースと協力して働いている宣教師のディーンさんが、かき氷を!


Photo by Linda Bengtson ©2012

天気予報では雨になると言われていた先週ですが、
灼け付くような陽射しの、まさにかき氷にはパーフェクトな午後となりました。

コンサート後は、おしゃべりに花が咲いて。



今回の旅は夫が言い出してディーンさんに連絡を取り、実現しました。
この地区は、たくさんの素晴らしいシンガーたちが訪問している場所なので、

うーーん、私なんかが行っても。。。
とか、

おうちの修復で忙しいディーンさんを煩わせても。。。
とか、

ちょうどお盆の真っ最中だし、押し掛けても地元の皆さんに迷惑じゃ。。。
とか、

私の思考はそういう方向に走りがち。
でも、行けてよかった、と思いました。

皆さんの笑顔を見れて、そう思いました。

日常が始まった方も、未だ非日常の中に暮らしている方も、
それぞれの困難がある事でしょう。

そんな皆さんの姿に、私はまた生きるって言う事を教えられます。
それは、日々をコツコツと歩いて行く事。。。
時々、遥か遠くを臨み、
時々、永遠という視点を感じたら、
また、目の前に視線を落として歩いて行く事。

それは、遠く離れている私にとっても、きっと同じ事なのだ。
しっかり歩こう。。。
今いる場所で。