皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ各員一層奮励努力セヨ

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国防を語らずに選挙をする者は売国者である。

2016年07月22日 | 日本・国士


平成28年7月22日(金)

 近未来の我が国を、根底から揺さぶる「動乱要因」は、
 やはりアメリカになる。
 嘉永六年と同じである。
 ともに「太平の眠り」を覚ますことになる。
 百六十余年前は、マッシュー・ぺリー、
 今度は、ドナルド・トランプ。

 そして、状況は、百六十余年前よりも深刻である。
 何故なら、近くの中国は、昔はアヘン戦争に敗北することによって
 欧米の帝国主義諸国の脅威を我が国に伝える存在であったが、
 今は中国それ自体が、共産党独裁の軍事大国として
 我が国を侵略する主体となっているからだ。 
 つまりこれから、我が国は太平洋の東と西の両岸とさらに南から、
 同時に衝撃波を受けることになる。
 昔は、「太平の眠り」から覚めてから帝政ロシアとの存亡をかけた戦いまで、
 三十七年の準備時間が与えられていた。
 しかし、今は両者が同時に来るのだ。

 さて、昨年来の我が国のマスコミと外交専門家の予測はことごとく外れ続けて、
 ドナルド・トランプ氏が、
 正式に共和党のアメリカ大統領候補に決定した。
 そして、アメリカ大統領に就任する公算が大である。
 
 そのトランプ氏は、
 理念よりも利害得失のタフな交渉屋として不動産業で財をなしてきた人物であり、
 在日米軍の引き上げに言及し、
 日本の核武装を容認すると発言し、
 アメリカの為ならば、
 日本を視野に置かずに中共と如何なる交渉をするのか予測がつかない。
 これ、まさに「戦後という太平の眠り」を覚ます衝撃ではないか。
 
 そして、中共は、既に昨年、
 南シナ海の岩礁を埋め立てて三千メートル級の滑走路を三本も完成させ、
 そこにミサイル基地を建設してミサイルを配備し、
 本年にはいよいよ露骨に東シナ海の我が国領海付近に軍艦を遊弋させ
 領空附近に盛んに戦闘機を飛ばしてきた。
 即ち、中共は、昨年から本年にかけて、
 我が国の生命線であるシーレーンが走る南シナ海と東シナ海を扼しながら、
 西太平洋の海中に原子力潜水艦を遊弋させて
 アメリカの核を抑止して東アジアに手出しできなくする体勢を着々と整えてきたのだ。

 以上の状況を概観すれば、
 我が国の政治を語るとは、
 軍事を語ることであり!
 軍事を語らずして我が国の政治を語ったことにはならないこと、
 明らかではないか。
 しかるに、
 これほどの明らかで深刻な激変と脅威が我が国に東西から迫りつつあるのに、
 この度の参議院選挙で、
 誰が我が国の国防を語っていたのか!
 
 現在進行中の東京都知事選挙において、
 何が語られているのか、
 何が話題になっているのか。
 じいさんのセックススキャンダルか、
 あほらし、と思わんのか!

 よって、現在は、嘉永六年よりも深刻である。
 何故なら、嘉永六年には、多くの志士が浦賀に行って黒船の砲を遠くから眺め、
 佐久間象山らは、
 あの砲は江戸城に届くが、日本の砲は黒船に届かないこと、
 つまり「脅威の実態」をすぐさま理解したからだ。
 しかし、今、「脅威の実態」を理解し、
 それを防ぐ方策を掲げて選挙に臨む者はいない。
 それどころか、「脅威」などないかの如く
 国民を誤導しまた国民を騙して
 自分を売り込む亡国の徒か中共の手下が選挙をしていた。
 
 私は、この風潮こそ、外部から来る脅威以上の脅威であると憂いつつ
 国防を訴え続けた。。
 先の時事通信の表題を、
 「義を明らかにして私を計らず」
 とした所以はここにある。

 かつて十六年前、防衛政務次官であった私は、
 「我が国も核を保有するかどうか国会で議論するべきだ」と言った。
 すると、マスコミが群がって「核武装発言けしからん」と私を非難した。
 私は彼らに次のように言って記者会見を締めくくった。
 「あなたがたは、近い将来、
 私の発言に、何故自分たちが大騒ぎしたのか、
 説明できなくなるだろう」
 
 マスコミの人士よ、
 今、共和党のアメリカ大統領候補が、
 「日本核武装」を言ったじゃないか。
 何故、大騒ぎしないのか。
 見て見ぬ振りをしているのか。
 そうではないのなら、
 何故、せっかくアメリカに滞在させている特派員を使って
 彼トランプの日本核武装論の本意をもっと聞き出して我が国内で報道し、
 我が国に核保有論議を提起すべきではないか。

 国防と拉致被害者救出!
 これが我が国の最重要の課題であり、
 これを実現するために、
 直ちに自衛隊を国防軍に再編し強化しなければならない。
 
 これが「大義」であり、
 これを語らないことが、
 即ち「私を計る」ことである。



西村眞悟の時事通信より。













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