25.
彼女イシュタルは語った。
『神々よ、わたしはわが項(うなじ)のこのラピス・ラズリを決して忘れまい。
わたしはこれらの日々を心に留め、永久に忘れまい。
神々はスルキンヌのところに来るように。
だがエンリルは、スルキンヌのところに来てはならぬ。
彼は熟慮もせずに、大洪水をもたらし、わが人間たちを破局に引き渡したがゆえに』
エンリルは到着するやいなや、すぐに方舟に眼を留めた。
エンリルは憤り(いきどおり)、イギギ(監視する者)の神々に対する怒りに満ちた。
『なんらかの生命が大洪水を免れたのだな。人間は誰も破局を生き延びてはならなかったのに』
ニヌルタ(農耕、植物神、雨神、戦神そして「大地の主人」)は、エンリルに告げた。
『エア(エンキ)以外に、誰がこのようなことをするだろう。エアこそはすべての業をわきまえているのだから』
エアは、エンリルに告げた。
『あなたは英雄、神々の賢者ではないか。熟慮もせずに、どうして洪水をもたらしたのか。
罪人にはその罪を負わせよ。咎ある人にはその咎を負わせよ。それで赦せ。彼とて抹消されてはならぬ。それで我慢せよ。彼とて殺されてはならぬ。
洪水をもたらす代わりに、ライオンを起こして、人々を減少させたらよかったのだ。
洪水をもたらす代わりに、狼を起こして、人々を減少させたらよかったのだ。
洪水をもたらす代わりに、飢饉を起こして、大地をやせ細らせたらよかったのだ。
洪水をもたらすかわりに、エラ(疫病をもたらす神)を起こして、人間を撲滅させたらよかったのだ。
わたしが偉大な神々の秘密を明かしたのではない。アトラ・ハシース(ウトナピシュティム)に夢を見させたら、彼が神々の秘密を聞き取ったのだ。
さあ・・
いまや、あなた自ら彼について決定を下すがよい。』
彼女イシュタルは語った。
『神々よ、わたしはわが項(うなじ)のこのラピス・ラズリを決して忘れまい。
わたしはこれらの日々を心に留め、永久に忘れまい。
神々はスルキンヌのところに来るように。
だがエンリルは、スルキンヌのところに来てはならぬ。
彼は熟慮もせずに、大洪水をもたらし、わが人間たちを破局に引き渡したがゆえに』
エンリルは到着するやいなや、すぐに方舟に眼を留めた。
エンリルは憤り(いきどおり)、イギギ(監視する者)の神々に対する怒りに満ちた。
『なんらかの生命が大洪水を免れたのだな。人間は誰も破局を生き延びてはならなかったのに』
ニヌルタ(農耕、植物神、雨神、戦神そして「大地の主人」)は、エンリルに告げた。
『エア(エンキ)以外に、誰がこのようなことをするだろう。エアこそはすべての業をわきまえているのだから』
エアは、エンリルに告げた。
『あなたは英雄、神々の賢者ではないか。熟慮もせずに、どうして洪水をもたらしたのか。
罪人にはその罪を負わせよ。咎ある人にはその咎を負わせよ。それで赦せ。彼とて抹消されてはならぬ。それで我慢せよ。彼とて殺されてはならぬ。
洪水をもたらす代わりに、ライオンを起こして、人々を減少させたらよかったのだ。
洪水をもたらす代わりに、狼を起こして、人々を減少させたらよかったのだ。
洪水をもたらす代わりに、飢饉を起こして、大地をやせ細らせたらよかったのだ。
洪水をもたらすかわりに、エラ(疫病をもたらす神)を起こして、人間を撲滅させたらよかったのだ。
わたしが偉大な神々の秘密を明かしたのではない。アトラ・ハシース(ウトナピシュティム)に夢を見させたら、彼が神々の秘密を聞き取ったのだ。
さあ・・
いまや、あなた自ら彼について決定を下すがよい。』