全て失くした、当てが外れたな
探偵小説を完成させたばかりの作家ハメットのもとに、探偵社時代の仲間が訪ねてくる。
ハメットは消えた中国人女性を捜しているという彼に頼まれてチャイナタウンを案内するが、いつしか巨大な陰謀に巻き込まれていく。(「作品資料」より)
1982年製作、日本では1985年に公開されたハードボイルド・ミステリー。
原作であるジョー・ゴアズの小説は読んだことあったが、映画は未見であった。
今回フランシス・フォード・コッポラの特集上映の1本としてリバイバル公開され、初鑑賞。
しかし、コッポラは監督ではなく、製作総指揮にあたり、監督は「PERFECT DAYS」のヴィム・ヴェンダースがあたっている。
ダシール・ハメットはハードボイルド小説の祖と言われているが、小説家になる前は探偵社にも勤めていたらしい。
その事実を基として、小説家であるハメットが、かつての同僚が現れたことにより、事件に巻き込まれ、自ら探偵として調査していく様が描かれる。
ハメットの前には怪しき者たちが現れ、何かの事件に巻き込まれていくよう。
自ら調査をしていくうちに危険な目に遭ったりもする。
同僚であった男がある中国人の少女を捜すことをハメットに依頼したことから、ことは始まる。
人捜しは探偵モノの基本ラインである。
時代としては1930年代くらいだろうか。
常にタバコを吸っているハメットの姿が時代を表しているな。
事件が、ハメットが書いた小説に少しリンクするような形で進むところも面白かった。
危険な目に遭いながら、ハメットが辿り着く顛末は、騙し合いの果ての悲哀であったな。
探偵モノとして興味惹かれる1本だった。
/5
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:フレデリック・フォレスト、マリル・ヘナー、ピーター・ボイル、ロイ・キニア、リディア・レイ、エリシャ・クック・Jr.、R・G・アームストロング、リチャード・ブラッドフォード
於:新宿武蔵野館
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