CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

24-345「まる」(日本)

2024年11月13日 00時06分28秒 | 日本映画

オレ、何かと闘ってましたっけ

 美大を卒業したもののアートで成功できず、人気現代美術家のアシスタントとして働く沢田。独立する気力さえも失い、言われたことを淡々とこなすだけの日々を過ごしていた。

 そんなある日、彼は通勤途中の雨の坂道で自転車事故に遭い、右腕にケガをしたために職を失ってしまう。部屋に帰ると、床には1匹の蟻がいた。その蟻に導かれるように描いた○(まる)が知らぬ間にSNSで拡散され、彼は正体不明のアーティスト「さわだ」として一躍有名人に。

 社会現象を巻き起こして誰もが知る存在となる「さわだ」だったが、徐々に○にとらわれ始め。(「作品資料」より)

 

 美大を卒業しながら生計を立てられず、有名美術家のアシスタントとして働いている沢田。

 上昇志向もなく無気力のように見え、同じアシスタントである矢野から、見てると辛いとまで言われる。

 ある日事故で腕を怪我した沢田はアシスタントを馘になる。

 その後何とは無しにまるを描き、それを骨董屋に持ち込むが、そのまるが思いも寄らぬ人気となり、画家サワダが有名となる。

 自分を置いて、まるとサワダが有名となり、戸惑う沢田。

 その姿が滑稽さもあり、面白かった。

 まる1枚に100万円出すという者も現れ、沢田の心はやがてまるに囚われていく。

 何をやりたいか判らなかった男が、意図しなかった形で、自分を置いて有名となっていく様を少しユーモラスに描いている。

 誰もがまるのサワダを求め、迷い始める沢田。

 自分を失いかけた男の再出発の物語というところか。

 沢田を演じたのは、27年振りに映画単独主演だという堂本剛。

 無気力感と戸惑う姿が似合っていたな。

 ちょっと奇想天外で興味深い話であったな。

/5

監督:荻上直子

出演:堂本剛、綾野剛、吉岡里帆、森崎ウィン、戸塚純貴、おいでやす小田、濱田マリ、柄本明、早乙女太一、片桐はいり、吉田鋼太郎、小林聡美

於:TOHOシネマズ池袋


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