これは暴力ですか
高校教師の原美鈴は、女であることの不平等さを感じながらも、そのことから目を背けて生きている。
そんなある日、親友の渕野美奈子から、早藤雅巳と婚約したことを告げられるが、早藤こそ美鈴に女であることの不平等さの意識を植え付けた張本人だった。早藤を忌み嫌いながらも、彼との行為を通して性への欲望や快楽への渇望が芽生え、呼び出しに応じてしまう美鈴。
そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希から性の悩みを打ち明けられた彼女は、思わず本音を漏らしてしまう。
新妻は自分に対して本音をさらけ出してくれた美鈴にひかれていくが。(「作品資料」より)
高校の女性教師が男子生徒と恋に落ちる物語。
そういう展開になるラブ・ストーリーであるが、描かれるのは赤裸々な性に対するもの。
教師をしている美鈴は、親友の彼氏である早藤に犯され、その後もことあるごとに呼び出されては、求めに応じる。
早藤を嫌いながら、そんな自分、女性である自分も嫌っている。
早藤は、美鈴の親友、美奈子と婚約するが、それでも美鈴に関係を強要する。
そんな中、美鈴は新妻という生徒と面談した際、性の悩みを打ち明けられ、思わず本音を口にしてしまう。
美鈴は新妻と接しているうちに、自分の心の変化を感じ、やがて惹かれていく。
禁断の恋に落ちる美鈴。
立場から言うと、必ずしも共感できないし、不幸が待っている感じもする。
早藤はかなり下種と感じる男だったな。
これだけあからさまな人間もそうそういないような気もするが。
何も知らなそうな美奈子であるが、クライマックスにはその想いが明らかになる。
こちらも共感しづらかったが、強さは感じたな。
果たして美鈴は、早藤との関係を断ち切れるのか。
クライマックス、かなり痛々しい予想していなかった展開となる。
性に関して、かなり赤裸々でちょっと倒錯的かなという発言もあったが、興味深い作品であった。
話の内容としては、スッキリした気分にはなれないな。
考えさせられる話であった。
/5
監督:三木康一郎
出演:奈緒、猪狩蒼弥、三吉彩花、田辺桃子、井上想良、小林涼子、森レイ子、吉田宗洋、板谷由夏、ベンガル、風間俊介
於:新宿ピカデリー
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