CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

22-124「流浪の月」(日本)

2022年06月10日 23時07分57秒 | 日本映画
あなたが思う程可哀想じゃないから
 ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗に、19歳の大学生・佐伯文が傘をさしかける。
 伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。
 “被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗と文は、事件から15年後に再会するが。(「作品資料」より)


 10歳の頃、19歳の大学生の佐伯文の家に誘われ、その後一緒に暮らすことにする家内更紗。

 その後、それは女児誘拐事件となり、更紗は被害女児として過ごすこととなる。

 15年後、更紗は文と偶然再会する。

 10歳の時、更紗は辛い家庭環境に置かれており、そこで暮らすよりも文と共に過ごすことに幸せを感じていたよう。

 文が更紗に声をかけたことに、幼児嗜好があったのかどうかは、最後までハッキリとはしなかったな。

 更紗は15年後に文と再会すると、彼の近くにいることを望むようになる。

 果たして、二人の間には愛があったのか、それとも他人には判らない絆があったのか。

 二人はある事件をきっかけに近くで暮らすようになるが、世間ではそれをかつての女児誘拐犯とその被害者の倒錯的な関係と見て取り、徐々に二人の生活を脅かしていく。

 一応、更紗と文の純愛に対し、世間がそれを許さず、更紗の元恋人である中瀬亮の誹謗中傷などを筆頭に、彼らの関係を危険、歪んだものとして捉えていく中で、果たして更紗と文の関係の行く末がどうなっていくのか気になっていくところ。

 しかし、この二人の関係を応援するというのも微妙なところだな。

 更紗の恋人であった亮も、見た目とは裏腹に影がある模様。
 そんなわけで、更紗と文を応援したくはなる展開ではある。

 実際に二人の間にあった関係と、世間が見る目は違うものなんだな。

 クライマックスで、文の思わぬ秘密が明らかになる。

 ラストは、果たしてハッピー・エンドと呼べるのか、何とも言い難いものだったな。

 特殊な設定の、男女の関係を描いた作品で、非常に興味深い内容の作品であった。

/5

監督:李相日
出演:広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子、趣里、三浦貴大、白鳥玉季、増田光桜、内田也哉子、柄本明
於:TOHOシネマズ池袋

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