CINECHANが観た映画について

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基本的にはネタバレに近いものがあります。

19-276「人間失格 太宰治と3人の女たち」(日本)

2019年11月11日 00時19分12秒 | 日本映画
道を外した人間でなければ判らない
 複数の女性と浮き名を流し、自殺未遂を繰り返す天才作家の太宰治。その破天荒で自堕落な私生活は文壇から疎まれる一方、ベストセラーを連発してスター作家となる。
 やがて身重の妻・美知子と2人の子どもがいながら、同時に2人の愛人、作家志望の静子と未亡人の富栄ともただれた関係を続けていく。
 それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、自分にしか書けない小説に取りかかる太宰だったが。(「allcinema」より)


 もちろん原作も読んだことはあるし、生田斗真主演の「人間失格」からアニメ版「人間失格 ディレクターズカット版」も鑑賞したことのある有名作品。

 その作者である太宰治を主役として、3人の女性との関係を描きながら、「人間失格」を執筆するまでにいたるまでを描いている。

 監督は「ヘルタースケルター」「Diner ダイナー」の蜷川実花。

 そのため色彩鮮やかな映像で綴られ、その中で太宰と女性たちの顛末が描かれる。


 何人もの女性と浮き名を流し、自殺未遂を繰り返す太宰治。

 そんな中で書き上げた小説は大人気となり、一躍売れっ子作家となっていく。

 しかし、私生活は乱れており、「斜陽」のモデルとなったと言われる太田静子、そして最後の愛人と言われる富栄とも関係を持ってしまう。

 女性との関係に関しては、倫理的にもあまり共感できるものでもないが、ここまで堕落的、破滅的な生き方というのは羨む部分もあるかな。

 しかし、これは才能があってこそ許されるものかもしれないな。

 太宰の苦悩は、売れっ子となっても、作品の真意を判ってもらえず、更に本当に書きたいと思うものが書けないということ。

 それが、女性との関係になってしまったよう。

 体も壊し、余命も危ぶまれる中、なかなか生活を変えられない太宰。

 そんな太宰に対し、終盤妻の美知子が放った言葉は衝撃的だったな。

 有名な太宰治を題材とした作品ということで興味深かったが、坂口安吾など他にも有名作家などが登場する。

 三島由紀夫も登場し、死を匂わせる太宰の小説を批判するが、その後の三島由紀夫の運命を考えると、ちょっと皮肉だな。

 太宰治というやはり興味惹かれる人物を描いた作品として、どうしても惹かれる作品だったな。

/5

監督:蜷川実花
出演:小栗旬、宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみ、成田凌、千葉雄大
   瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也、稲垣来泉、山谷花純
   片山友希、宮下かな子、山本浩司、壇蜜、木下隆行、近藤芳正
於:新宿ピカデリー

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