わたしよりわたしらしくわたしを書いた
ダンボールを頭からすっぽりと被った姿で都市をさまよい、覗き窓から世界を覗いて妄想をノートに記述する「箱男」。それは人間が望む最終形態であり、すべてから完全に解き放たれた存在だった。
カメラマンの“わたし”は街で見かけた箱男に心を奪われ、自らもダンボールを被って箱男として生きることに。
そんな彼に、数々の試練と危険が襲いかかる。(「作品資料」より)
箱男とは、ダンボールを被り、覗き窓から外を眺めてはノートに記している男。
この設定からして奇抜であるが、その箱男を狙ってくる者が現れる。
更に箱男になろうとする者も現れ、その存在が危うくなる。
倒錯的と言うか、不条理な話である。
確かに何かの内側にこもり、外界との接触を断ち、世界を見ているというのは究極的な理想かもしれないな。
とは言え、ストーリーとしては理解し難いものがあったな。
箱男であるわたしに、それを狙うニセ医者に軍医。
そして箱男を誘惑しようとしているような葉子という女性の存在。
彼らが絡む物語が展開される。
箱男が狙われ逃走する様子や、箱男同士がぶつかり合うシーンは少し滑稽であったな。
箱男であるわたしも、別の箱男から箱を奪い、箱男になろうとしている。
そして、わたしから箱男を奪おうとする男。
話としては興味深かったが、今ひとつ理解し難い話であったな。
/5
監督:石井岳龍
出演:永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈、佐藤浩市、渋川清彦、中村優子、川瀬陽太
於:新宿ピカデリー
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