生きてれば、描くことは無くなんないよ
新人賞をとって以来、描きたいものがなくなってしまい、休載中の漫画家・堀マモル。苦悩する彼の部屋にある時、海、樹、愛と名乗る幽霊たちが現れ、「漫画を描かせてあげる」と言う。
小学生の海は母にさみしいと言い出せなかった思いを、中学生の樹は周りにうまくなじめず孤独を抱えた自分を救ってくれた教師への思いを、そして高校生の愛は一緒に夢をかなえようと誓った友への思いを語り、彼らの話をマモルは3編の漫画に描き上げていく。
そしてマモルはいつしか、自身の大切な人である春との別れや果たせなかった約束など、心の奥底にしまっていた過去と向き合い始める。(「作品資料」より)
青年マンガ家の堀マモル。
新人賞を獲ったものの、その後はスランプで、何を描けばいいのか判らない状態。
そんなマモルの元には3人の幽霊がいる。
小学生の男の子と中学生の男子、そして女子高生。
彼らはマモルに自分たちの物語を描くように勧め、彼らが語る物語をマモルはマンガに描いていく。
何となく3人の幽霊の正体は量れたかな。
彼らの物語にはどこかスッキリしない、後悔を残しているような話。
マモルはそれを描き直していく。
そして物語の中に、春という少女との出会い、彼女と共にマンガを描いたことが描かれる。
春が亡くなっていることは早々に判り、春の幽霊もいるような感じではあるが、マモルは目にしていないよう。
これまで後悔ばかり残していたようなマモルがマンガでその後悔を解消して、昇華していく。
そして最大の後悔は春に関してのことのよう。
果たしてマモルは後悔を昇華し、マンガを再び描き出すことが出来るのか。
後悔と罪悪感を抱えた男が、その気持ちを昇華していく様を描いた青春ストーリーで、面白い1本だった。
後悔を乗り越えるのは、やはり自分ということなのかな。
/5
監督:榊原有佑、武桜子、野田麗未
出演:山下幸輝、桃果、宇野大輝、斎藤汰鷹、竹原千代、岡部たかし、坂井真紀、三浦貴大、占部房子、竹中直人
於:新宿ピカデリー
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