CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

20-184「オフィシャル・シークレット」(イギリス)

2020年11月09日 00時12分48秒 | イギリス映画
違法な戦争で子供たちが死ぬのを見たくない
 2003年1月。英国の諜報機関GCHQ(政府通信本部)の職員キャサリン・ガンは、米国の諜報機関NSA(国家安全保障局)から送られてきたメールに衝撃を受ける。それは、イラク戦争を強行したい米国政府が、そのために必要な違法工作を英国政府に指示するものだった。
 イラク戦争に大義がないことを確信したキャサリンは、その内容をマスコミにリークすることを決断、その後オブザーバー紙によって一面で大きく報じられた。
 すぐにGCHQ内で犯人探しが始まると、仕事仲間への執拗な尋問に心を痛め、自ら名乗り出たキャサリンは、国家機密漏洩の罪で英国政府によって起訴されてしまうのだったが。(「allcinema」より)


 2003年に実行されたイラク戦争。

 大量破壊兵器が有りや無しやという話は耳にしていたが、その戦争を正当化しようとするアメリカのメールを目にしたイギリスGCHQ(政府通信本部)キャサリン・ガンは、それをリークする。

 新聞記事になり、自らリークしたと名乗り出たキャサリンは、国家機密漏洩の罪で政府から起訴されてしまう。

 そんなキャサリンの戦いを描いたポリティカル・サスペンス。


 イギリス政府がアメリカに追従し、イラクとの戦争を起こそうとすることは、大義のない、違法なことだと感じるキャサリン。

 その想いが彼女をリークへと走らせるが、その後の後悔、そして信念を貫く姿勢が描かれ、観ている側は応援したくなる。

 しかし、相手となるのは政府。

 その巨大な力は彼女のみならず、周囲の人間にまで圧力をかけてくる。

 そして、リークを記事にした新聞記者、キャサリンを弁護する弁護士たちも大きな敵を前に奮闘する。

 果たして、キャサリンの戦いの行方がどうなるのか。

 緊迫感の高い展開で、非常に惹き込まれる内容であった。

 こちらは実話を基に製作された作品で、後に〝キャサリン・ガン事件〟として大きな政治問題となったらしいが、耳にしたことはなかったな。

 この起訴の行方がどうなるのかと思っていたが、それは思わぬ展開となっていく。

 国民の命を危険に晒すかもしれないことに対する憤りと信念がキャサリンを動かしたよう。

 これには共感する部分も高いのだが、組織に属している身としては、機密情報の漏洩ということには一種の疑念を抱かずにはおれなかったな。

 もちろん扱うものの重みは雲泥の差があるかもしれないが。

 いずれにしても、その内容と緊迫感ある展開に惹き込まれる作品であった。

/5

監督:ギャヴィン・フッド
出演:キーラ・ナイトレイ、マット・スミス、マシュー・グード
   レイフ・ファインズ、リス・エヴァンス、アダム・バクリ
於:TOHOシネマズ シャンテ

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