CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

19-319「幸福な囚人」(日本)

2019年12月17日 00時36分02秒 | 日本映画
効率性ですよね
 無口で不器用な会社員・澤田の妻は、不妊症をきっかけにうつ病になり、そんな彼女を献身的に支える澤田も徐々に精神を病んでいた。
 そんな折、海外の企業から岸本という男が同期として転職してくる。澤田は自分とは対照的に自信満々の岸本と親しくなるが、徐々に岸本の暴力性や猟奇的な一面を見てしまい、恐怖感を抱くようになる。
 だが、その一方で、彼の危険な魅力のあるカリスマ性に惹きつけられていく。「もっと本能に忠実になれ」と岸本に吹き込まれた澤田は心が揺れ、自分と同じく家庭に悩みを抱える女性社員・美奈子と不倫関係となる。しかし、美奈子は社内での自分の立場を守るために、澤田から迫られたと吹聴する。
 美奈子に裏切られ、絶望した澤田は、自分のなかに眠る狂気的な一面を解放していく。(「KINENOTE」より)


 妻は不妊症をきっかけにうつ病になり、その対応に気を使う。
 そして職場では、悪口や噂話が絶えず、そんな環境に澤田も精神を病みそうになる。

 そんな時、海外から転職してきた岸本という男と親しくなるが、その岸本から何度も〝本能に忠実になれ〟と声をかけられ、やがて彼が行っているという危険な行動を目の当たりにする。

 恐怖を覚えると共に、徐々に岸本の考え方に感化されていくようになる澤田。


 家庭でも職場でも抑圧されたような環境で、精神が蝕まれそうになっている男が、自分の中に眠る狂気を見せるという展開。

 うつ病の家族の対応というのは大変。

 澤田が働く会社の職場はモラハラの温床という感じ。

 そんな中で、岸本という怪しくて危険な男と出会い、心の内にあるものが解放されていく。

 まあ、こんな会社の同僚であったら、殴り倒してやりたいという気も判るというもの。

 冒頭、澤田が逮捕されるシーンから始まるので、いったい澤田は誰に対して、どのようなことをするのか気になる。

 とは言え、必ずしも澤田の行動に共感するかというと、それは微妙。

 誰もがこのような一面を解放してしまうと、収集つかなくなるからな。

 しかし、話としては興味深いものがあったな。

 そして、岸本の正体が明らかになった時、それは澤田の精神がすでに崩れていたことを表していたんだろうなと思う。


 人間の奥底にある闇を描き出した作品。
 それは澤田だけでなく、職場の人間たちもそうだったな。

/5

監督:天野友二朗
出演:山中アラタ、児玉拓郎、小原徳子、百合沙、池田良、友咲まどか、田山由紀
   竹田哲朗、菅井玲、真栁美苗、小沢まゆ、上埜すみれ、日高七海、みのすけ、BBゴロー
於:シネマート新宿

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