CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

19-197「アンダー・ユア・ベッド」(日本)

2019年08月07日 00時40分03秒 | 日本映画
オレは石の裏で蠢く虫だ
 ある日、11年前の大学時代に、たった一度だけ名前で呼ばれたことを鮮烈に思い出した男、三井直人。相手の佐々木千尋と喫茶店でマンデリンのコーヒーを飲み、飼育しているグッピーを分けてあげると約束をした時が、三井にとって人生で唯一の幸せな瞬間だった。
 “もう一度名前を呼ばれたい”という欲望に囚われた三井は、千尋の現在の自宅住所を調べ上げ、その近くに熱帯魚店を開業してしまう。やがて千尋が店に現われるも、当然のごとく三井のことは覚えていない。
 三井は千尋の家の合鍵を無断で作ると、留守宅に侵入し、寝室に盗聴器を仕掛けて、すでに結婚している彼女の生活を監視し始める。すると、千尋が夫から激しいDVを受けている実態が明らかとなってくるのだったが。(「allcinema」より)


 ベッドの下に何者かが潜んでいる、という話は、一時都市伝説でよく語られていたことであるが、本作はホラーではない。

 大学生の時に一度名前を呼ばれ、一緒にコーヒーを飲んだことのある女性を11年後に思い出した三井直人は、その彼女、佐々木千尋の行方を調べ始める。

 やがて千尋が結婚していることを知った三井は、彼女の住む家の近くで熱帯魚店を開業し、彼女の家、彼女の生活を監視し始める。

 11年前とはすっかり様子が変わってしまった千尋は、やがて夫に激しいDVを受けていることを三井は知る。


 三井は、毎月千尋に差出人不明で花束を贈り、家の窓からカメラで監視し、留守宅に忍び込み盗聴器を仕掛けたり、ついにはベッドの下に潜んで様子を伺う。

 完全にストーカーで、犯罪者であるが、自分の存在を明かすわけではない。

 物語は、現在の三井が千尋を監視する様子と、11年前の千尋と三井の様子が描かれる。

 更に、千尋が結婚した浜崎はかなりのDV男。

 ここまで暴力的になれるのかと思うほど、肉体的にも性的にも激しく傷つけていく。

 果たして、そんな千尋と夫の様子を見ていて、三井はどんな行動を起こすのか興味深い。


 三井は11年前に千尋に名前を呼ばれ、一緒にコーヒーを飲む。
 それまでの人生、ほとんど名前を呼ばれることもなく、存在さえ忘れられることの多かった三井は、千尋に名前を呼ばれたことで幸せを感じる。

 そしてこのような行動を取るのだが、これは狂気でもあるようで、かなり切ない想いでもあったな。

 三井が振り返る11年前の井出来事と、現在の千尋が語ることに齟齬がある。

 11年前の出来事は、実は三井の妄想だったのかなとも思わせる。

 冒頭から三井はベッドの下にいたが、さすがにずっといるわけではなかったな。


 三井の想いの行方と共に、三井と千尋が置かれている状況がどうなっていくのかも興味深いエロティック・サスペンスであったな。

/5

監督:安里麻里
出演:高良健吾、西川可奈子、安部賢一、三河悠冴、三宅亮輔
於:テアトル新宿

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