詩 画
にのみや あきら
額縁に入った一つの心が
崇高で戯けた一つの心が
詩画の中にあった
詩画は部屋を美しく飾り
生きる心の糧となった
繰り返し繰り返し
詩画は多くの人に鑑賞され
繰り返し繰り返し
詩画は多くの人に親しまれた
ある日
持ち主が詩画の気持ちを裏切った
その日を境に
詩画は色彩を失い
心の威力を失った
詩画は詩画でなくなり
額縁に入ったただの物質になった
もどらない眼
にのみや あきら
人が
街が
霞んで見える
眼鏡を外して歩いているからか
肉眼で
人を
街を
鮮明に見ることは
もう
できない
もし
できたとしても
それは
奇蹟か
世間に
異変が起きた時
にのみや あきら
人が
街が
霞んで見える
眼鏡を外して歩いているからか
肉眼で
人を
街を
鮮明に見ることは
もう
できない
もし
できたとしても
それは
奇蹟か
世間に
異変が起きた時