ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

春との旅

2010-05-03 02:45:23 | は行
うちの母が「試写会に当たったの~」と
ウキウキで見に行きましたが

どうだったんだろ。


「春との旅」33点★


北海道の寂れた海辺に暮らす
74歳の忠男(仲代達矢)

ある日、不自由な足をひきずって家を出て行く。


その後を必死で追いかけるのは
孫娘の春(徳永えり)。

荒っぽい気性の忠男に
杖で追い払われても
春はどこまでもどこまでも、忠男の後をついていく。  

こうして2人は各地に
親戚たちを訪ねる旅に出た・・・。



老人と孫娘のどこか「道行き」ふうの旅。
果たしてその目的と行方は――?
と、そそられる内容だけに期待も高く

試写会も超満員。


しかしその中身は
想像以上に、仲代氏の独壇場。

残念ながら
感情を共有しようにも
とりつく島ナシ、という感じでした。


それに
長回しのカメラの前で長芝居を打たれ

バックではピアノ曲の単調なトレモロが
延々、繰り返されてる・・・ってパターンは

映画としては
やっぱり退屈なんですねえ。


ぱっと見、でかい小学生にすら見える
徳永えりの無垢な芝居はよかったし

ほかのキャストも
大滝秀治に田中裕子、淡路千景・・・などなど
まさに“銀幕ファン”向けのツウさで
魅力満点なのに

どうしても
眠気ががまんできなかった・・・


感情も状況もすべて“言葉”で語らせる
こういうセリフ劇って

役者はめちゃくちゃ
やりがいがあるだろうけど

なんといってもやはり
“視覚の芸術”である映画の特性を
十分に生かしてないのではないか?

と、番長は思ってしまう。

印象に残るシーンもありましたが
やっぱり、ちょっと苦手でした。

ところで。

昨年、このブログを始めてから
うちの親が
なぜか映画をよく見るようになったんですよ。

んで
「『剣岳』よかった~」など
感想を言ってくれるので
けっこう参考になります。

ちなみに
唯一にして初めて
「両親に見せたい」と前売りを送ったのは

チャン・イーモウ×高倉健の
「単騎、千里を走る」(05年)。

そろそろまたプチ親孝行しなきゃ。


★5/22から全国で公開。

「春との旅」公式サイト
コメント (2)
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