自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★「つづれ米」と米食い虫の話

2021年08月13日 | ⇒トピック往来

   「つづれ米」という言葉を初めて知った。自宅のガレージに置いていた米袋にガのような虫が群がっていた。さらに袋を開くと玄米に無数の虫が繁殖していた。毎日のようにガレージを出入りしていたが、一気に虫が繁殖したようだ。袋の底には玄米がまだ10㌔ほどある。袋ごと処分しようかとも考えたが、いただいた米でもあるのと「もったいない」の気持ちが心をよぎって、まず虫を除けることから始めた。

   米作りに詳しい知人にメールで処理の仕方を尋ねると、「つづれ米ですね。まず、ムシを除去して天日で乾燥してください」との返信だった。このとき、初めて「つづれ米」という言葉を知った次第。「綴(つづ)れ」は 破れ布をつぎ合わせた古着のことで、生まれ育った奥能登ではかつて農作業などでおじさんやおばさんたちが着ていたことを思い出した。 確かに虫がいる玄米の表面を見ると米が一部変色していて、糸でつながっているような「つづれ」に見える。

   米粒を通すほどの荒い目の金網と通さない細か目の金網の2種を近くの「カーマホームセンター」で購入。ポリバケツの上に金網を乗せて、その上から虫のついた玄米を注ぎ込む。虫は数種類いる。ガはパッと飛び散り、クワガタのような黒い虫は逃げ回っている。インターネットなどで調べると、ガのようなものは「ノシメマダラメイガ」、クワガタのようなものは「コクゾウムシ」、別名「米食い虫」と言うようだ。変色した米粒が白い糸のようなものでつながっているのは、ノシメマダラメイガのサナギが出す分泌物という。(※写真・左がノシメマダラメイガ、右がコクゾウムシ=「Wikipedia」より)

   金網でこした玄米を今度は広げた新聞紙の上で天日干しにする。ムシやサナギはなんとか除去できたが、おそらく米粒の間には卵もあるだろう。3時間ほど天日で乾かした後、今度は米粒を通さない目の細かな金網で干した玄米をふるう。卵だろうか、白い粉のようなものがパラパラと落ちてくる。そして、ふるった玄米を別のポリバケツに入れて、なんとか作業は完了した。

   玄米ご飯を食べるために精米せずに玄米のまま米袋に入れておいた。まさか、虫がつくとは思ってもいなかったのが甘かった。せめて袋の口をヒモでしっかり結ぶなどしておけばよかった。ボリバケツの中を乾燥させるため玄米の上に木炭を置いて、フタをする。なんと一日がかりの「つづれ米」作業となった。

⇒13日(金)午前・金沢の天気     あめ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ☆ワクチン接種完了もコロナ禍... | トップ | ☆気象情報 言葉が複雑化して... »

コメントを投稿

⇒トピック往来」カテゴリの最新記事