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「角栄さんがお気の毒だった、と裁判官が語った」「取材相手から“遺言”を託された」都心書店で7週連続売上1位、話題の書『ロッキード』

2024年02月14日 23時03分34秒 | 歴史的なできごと
「角栄さんがお気の毒だった、と裁判官が語った」「取材相手から“遺言”を託された」都心書店で7週連続売上1位、話題の書『ロッキード』で真山仁が踏み込んだ「危険な領域」(文春オンライン) - Yahoo!ニュース 






角栄さんは官僚出身でもないし、学閥も閨閥も持ち合わせていない。そんな中政界でのし上がるために、莫大なお金を使っていたことは確かでしょう。ただ、それで豪奢な生活を極めていた、というわけではない。先日燃えてしまった目白の大邸宅にはたしかに住んでいたけれど、私腹を肥やすという言葉とは遠い存在だったのではないか、と考えています。

>丸紅ルートの最高裁判決に関わった元判事の園部逸夫さん

「思い返せば、あれはなんだったのかと思う事件です。事件が最高裁に上がる前から、深い霧の中を歩いているような感覚が、ずっと拭えなかった」

「(現金授受があったとされる英国大使館裏の路上に実際に行って)こんな人目のつくところで現金を渡すものなのだろうか、と不思議に思った」


立花隆の「田中角栄研究」で、世論が一瞬にしてひっくり返った
――世間が抱いたイメージと実像とでは、随分とズレがある?


真山 叩き上げの庶民宰相として総理にまで上り詰めた角栄は、就任当時は絶大な人気を誇っていました。おそらく一般家庭でも、妻が「あなたも角栄さんを見習いなさい。学歴もないのにあんなに頑張って……」と夫にハッパをかける材料にするような、そんな存在だったのだと思います。


 ところが立花さんの『田中角栄研究」が発表され(「文藝春秋」1974年11月号)、その強固な集金システムが一斉に世に知られることとなった。


 そこで国民は「結局角栄さんもカネまみれか」「裏切られた」と感じたのです。


 世論が一瞬にして熱狂的支持から「角栄ゆるすまじ」へとひっくり返りました。この時にできたダーティーなイメージが、後世の田中角栄像をかたちづくったのではないか。


 そして自民党中枢もまた、世論の反転に追随する形で、エリートばかりの永田町にあって間違いなく「異物」だった角栄を見放したのでしょう。


 その先にロッキード事件があった、と捉えると、思いこみが外れ、いろいろなものが違って見え始めました。


ロッキード事件を小説にするのは「逃げ」だと思った
――今回真山さんは、ロッキード事件をご自身はじめてのノンフィクションとして描きました。これまでのように小説として書くこともできたかと思うのですが。


真山 小説にすべきだ、ノンフィクションを書くべきではない、という声も周りにはありました。


 ただ、ロッキード事件を扱うのであれば、いきなり小説で書くという選択肢はあり得ませんでした。



 なにしろ100冊以上の関連本があり、数多くの関係者が文章を残している。報道された資料も膨大です。そんな事件を小説で書くのは「逃げ」だろう、と。いつかはノンフィクションに挑戦したいと考えてもいました。大きすぎるテーマだと思いましたが、挑んでみる決意をしました。


――昭和史のノンフィクションといえば、真山さんと同じく小説家で『日本の黒い霧』『昭和史探訪』を書かれた松本清張さんが思い浮かびます。


真山 『ロッキード』を書くにあたって、実は清張さんの『 昭和史発掘 』を読み返しました。ひとつ気づいたのは、清張さんの執筆スタイルは「誰も知られていないこんな話がある。だから世間に知られているストーリーとは違う、こんな筋が濃厚だ」という「型」に沿ったものである、ということ。清張さんは正義感が強く、ジャーナリストへの憧れがあった。だから、緻密に取材をして触れた、通説とは異なるファクトをとても大切にして、自分の論を展開していたのだと思います。


 ただ私は、清張さんのスタイルでは書けない、とも思いました。なにしろ、ロッキード事件はあまりにも関係者が多く、それぞれの視点によって、見え方も違います。できるかぎり多くの視点から、先入観を排してフェアにこの事件を照らしていこう、と取材に臨みました。

裁判官が「角栄さんがお気の毒だった」と語った
――なにしろ40年以上も前の事件です。取材は相当苦労したのでは?


真山 「週刊文春」での連載中を含めて2年以上取材を行いました。当時は同時並行で他に6本の連載を持っていましたが、実質的には仕事時間の7割をロッキードに割いていましたね。


 資料や書籍にくまなく目を通すだけでなく、まだご存命の関係者や、一度でも角栄さんを取材したことのある記者にはダメもとで全員当たりました。


 たとえば序章で登場する、丸紅ルートの最高裁判決に関わった元判事の園部逸夫さん。どうしても話を聞きたいと、半年以上手紙のやり取りを重ねました。最初は門前払い、そのうち「何も覚えていないよ」とメッセージをくださるようになり、最終的には「何も覚えていなくてもかまわないなら」ということでお会いすることができました。


 園部さんにお会いした時に、私はこう話しました。


「法曹が一番大事にすべきはデュープロセス、法の適正手続きの執行ですが、それを無視することに痛痒を感じないんですか?」


 園部さんは「あなたはしっかり法律を勉強しているね」と返された。


「答えになっていません。答えてくださいよ」


 私が食い下がると、園部さんは、ポツリポツリと話し始めました。


「フワフワと現れて、フワフワと消え去った事件でした」


「思い返せば、あれはなんだったのかと思う事件です。事件が最高裁に上がる前から、深い霧の中を歩いているような感覚が、ずっと拭えなかった」



「(現金授受があったとされる英国大使館裏の路上に実際に行って)こんな人目のつくところで現金を渡すものなのだろうか、と不思議に思った」


 最後には、こんなことまで話してくださったんです。


「角栄さんがお気の毒だった。ちゃんと裁判に出て、思うところをしっかり肉声で話してほしかった」



「踏み込もうとすると、危険を感じる領域があった」
真山 また、情報を改めて整理することで湧いてきた疑問を率直にぶつけることも意識しました。「なぜこういう視点で取材をしなかったのか、なぜこういう仮説を立てて動かなかったのか」と問うと、面白い反応が返ってきました。


「当時はそういう視点を持つ時代じゃなかった」


「当時は言えなかった」


「触れてはいけない雰囲気があった」


「踏み込もうとすると、危険を感じる領域があった」


 つまり、時代や当時の社会の雰囲気への忖度が明確にあった、というのてす。


「今なら明らかにできるかもしれない。真山さん、よろしくおねがいします」


 と、あたかも遺言のように真相追及のバトンを渡されたような、そんな瞬間も多くありました。


 そのおかげで、多くの新証言、新事実を掘り起こすことができました。対潜哨戒機を巡る問題、中曽根康弘さんや佐藤栄作さんとロッキード事件との関わりなど、40年前は誰もが踏み込むことができなかった奥の奥へと踏み込んで書くこともできました。勇気をもって話してくださった方々に、心から感謝しています。


――真山さんは、田中角栄は有罪だったと思いますか? それとも、無罪だったと?


真山 「そこを書いてほしい」と言われたこともあります。でも、私はこの本に、「角栄は有罪だ」とも「無罪だ」とも書いていません。それは私のすることではない、と思っているからです。私が今回とりくんだのは、できるかぎりの取材と考察を泥臭く積み重ねて、全体の構図をフェアに、わかりやすく、そして面白く提示するということ。


 そこから先は、読者に委ねています。ぜひ考えていただきたい、と思います。


 今回、この作品が多くの読者を獲得しているのも、そういった私のスタンスが受け入れられているのかもしれない、と思うと、とても嬉しいです。


 間違いなく、私にとってこの『ロッキード』は、「ハゲタカ」シリーズに匹敵する代表作になりました。


「本の話」編集部






「角栄さんがお気の毒だった、と裁判官が語った」「取材相手から“遺言”を託された」都心書店で7週連続売上1位、話題の書『ロッキード』で真山仁が踏み込んだ「危険な領域」
2/9(金) 6:12配信




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文春オンライン
〈「角栄逮捕時の日本と今の日本は変わらない」都心店で文庫売上7週連続1位を継続! 真山仁『ロッキード』はなぜ売れているか〉 から続く


【写真】この記事の写真を見る(6枚)


都心の大型書店で、異例の7週連続売上1位を記録
単行本と合わせて6万部を突破、分厚い本だがベストセラーに


 丸善丸の内本店と丸善日本橋店という都心の大型書店2店舗で、2023年の12月第1週から2024年1月第3週まで7週連続文庫売上1位を記録した『 ロッキード 』(文春文庫、1300円+税)。


「ハゲタカ」シリーズをはじめ、社会派の骨太なエンターテインメントを書き続けている小説家・真山仁さんが手掛けた初のノンフィクション作品で、田中角栄元総理が逮捕され、有罪判決を受けた政治疑獄・ロッキード事件の真相に迫った大著が、異例のロングヒットとなっています。


 書店員の声とともに真山さんにお話を伺った前回につづき、真山さんがこの力作に込めた思いや取材秘話・続編をお届けします。


なぜ田中角栄は「まー、そのー」と言い、扇子をバタバタさせていたのか
――そもそも真山さんは、田中角栄という政治家はお好きだったのでしょうか。


真山 逮捕された時は中学生でしたが、正直にいえば好きではありませんでした。叩き上げの人特有のギラギラ感が苦手でしたし、ロッキード事件で政治の表舞台から下りたあとも、永田町で絶大な権力を持ち続けているような、闇将軍的なイメージを持っていました。


 ところが、執筆にあたって調べはじめると、角栄さんが幼い頃から吃音で悩んでいたことを知りました。


 実は私もこどもの頃、吃音に苦しめられました。


 角栄さんが話す時に「まー、そのー」と一拍置いたり、扇子をしきりにバタバタさせたりしていたのは、吃音の症状が出ないように呼吸を整えていたのだとわかって、実はすごくナイーブな人なのではないか、と認識を改めました。


角栄は本当に「金権政治家」だったのか?
――本では第1部の第2章「政治の天才の誕生」と第3章「金権政治家の烙印」をまるまる割いて、田中角栄の政治家としての足跡、そして逮捕までの日々を克明に綴っています。特に第3章では、角栄のお金との関わり、金権政治家というイメージの実像に迫っていますね。


真山 一つ心に留めておくべきことは、角栄のところには確かにお金がたくさん集まっていたけれど、彼自身はあまり懐に入れていなかったのではないか、ということです。


 元毎日新聞の政治部記者で、当時の宏池会などに深く食い込んでいた西山太吉さんに話を伺いましたが、「田中角栄という人の集金力はたしかにすごかった。でも、それを懐にしまうタイプではなく、集めた金をすぐ使っていた」というのです。


 当時は、政治家個人が受けた献金は届出義務がなく、企業からの献金を受けることも公に認められていた。帳簿に記載されない裏金も含めて、おそらく与党議員は角栄に限らず誰もがお金をためることができたはずです。西山さんは「角栄はそのお金を、自民党の自派閥議員にはもちろん、他派閥の議員にも、さらには当時の公明党をはじめとした野党にも『困ったら使え』と渡していた」と話していました。


 角栄さんは官僚出身でもないし、学閥も閨閥も持ち合わせていない。そんな中政界でのし上がるために、莫大なお金を使っていたことは確かでしょう。ただ、それで豪奢な生活を極めていた、というわけではない。先日燃えてしまった目白の大邸宅にはたしかに住んでいたけれど、私腹を肥やすという言葉とは遠い存在だったのではないか、と考えています。






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昭和の遺物>義理チョコ文化は終わった!コンビニから見えるバレンタイン事情…「ご褒美」と「デザート

2024年02月14日 22時03分40秒 | 女と男のこと
義理チョコ文化は終わった!コンビニから見えるバレンタイン事情…「ご褒美」と「デザート


2・9・2020

バレンタインデー(2月14日)を前に、コンビニエンスストア各社ではチョコレート業界とのコラボ企画が相次いでいる。流通アナリストの渡辺広明氏は当サイトの取材に対し、「義理チョコ文化がなくなったタイミングで、自分へのご褒美チョコを扱っています」と分析。コンビニから見えてくるバレンタイン事情の変化を検証した。

【写真】3000円!究極の義理チョコ「生ブラックサンダー」大人気

 セブンイレブンでは、チロルチョコの新商品「チロルチョコ〈チョコレートケーキ〉」を8日から全国で販売(取り扱いのない店舗も)。同商品は、洋菓子店「トップス」の人気商品であるチョコレートケーキをチロルチョコで再現したもので、ふかふかのスポンジケーキの食感を表現した餡とくるみを、準ミルクチョコで包んでいる。

 さっそく発売初日に購入して食べてみた。中がしっとりとしていて、安価の代名詞である、駄菓子としてのチロルチョコにささやかな「ご褒美感」が加味されていると感じた。

 「10円あったらチロルチョコ」というキャッチフレーズで知られるチロルチョコだが、現在も20円(税抜き参考価格)で販売されている。今回、セブンイレブン限定の商品は42円(同)と倍以上の金額ではあるが、それでも安いことに変わりはなく、ケーキの味覚による特別感がある。商品がなくなり次第、販売終了となる。

 渡辺氏は「トライアングルPB(プライベート・ブランド)ですね。コンビニを含めた3者によるコラボ商品です」と、チロルチョコ、トップス、セブンイレブンという3者による展開を説明。同氏は「このようなPBは店舗数が多く、購買力 販売力があるコンビニならでは。ロット数が多いコンビニでしか実現できないコラボ」と補足した。

 ファミリーマートでは「ルビーチョコレート」を使った商品を販売。スイス本社のチョコレートメーカー「バリーカレボー社」が開発した「第4カテゴリー」の新しいチョコレートとして話題になっている商品だ。また、ローソンはゴディバとコラボした「ショコラロールケーキ」を数量限定で発売中だ。

 渡辺氏は「第4のチョコレートと呼ばれているルビーチョコは、今年はファミマですが、去年はローソンでした。今年が定着の正念場ですね。(ローソンでは)普通のチョコレートから、(ショコラケーキのような)デザートになっており、自分へのご褒美として品揃えが拡大しています」と指摘した。

 「義理チョコの習慣が数年前からなくなった」と明言する渡辺氏。「コンビニのバレンタインは、平成の初めは『義理チョコ買い忘れ需要』で、2月14日の昼以降からかなり売れました」という。つまり、「女性が社内で配るチョコの数が足りなくなって、コンビニに駆け込んで買うなどして、当日の昼頃に売れていた。前日まで売れていなくても、当日昼に需要があった」(渡辺氏)ということなのだ。

 時代は変わった。近年、コンビニでバレンタイン当日の駆け込み需要はなくなった。好意を持つ相手や世話になった人などには事前にチョコを用意しても、職場での義理チョコには女性側から「出費を控えたい」という思いがあり、無理して当日にバタバタと買うことはなくなった。男性側にも「お返しするのが面倒」という声がある。そんな意識を背景に、義理チョコ文化はほぼ終焉した。

 その終わりの始まりとして、コンビニから見えてくる2020年のバレンタイン事情。ケーキなどとコラボした「デザート化」、そして「ご褒美として自分のために購入」という要素が見えている。

 (まいどなニュース/デイリースポーツ・北村 泰介)



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バレンタインで修羅場に…もらったチョコが高級メーカーとは露知らず

2024年02月14日 20時03分05秒 | 女と男のこと
バレンタインで修羅場に…もらったチョコが高級メーカーとは露知らず


 義理チョコを禁止する会社も増えつつある昨今だが、カップルや片思い中の人にとって、「バレンタイン」はいまだにビッグイベントのひとつと言える。日頃の感謝や愛情を伝え、より仲が深まれば何よりだが、相手との間で温度差に開きがあることも。実際、良い思い出ばかりでもないようで……。 
もらったチョコが高級メーカーとは露知らず…

2・14・2020

※画像はイメージです(以下同)


 会社員の智也さん(29歳・仮名)は、去年のバレンタインで彼女を怒らせてしまったという。 「彼女とは2回目のバレンタイン。1回目は手作りチョコで、去年は買ったチョコだったんです。僕はあんまり甘党でもないし、チョコはくれなくてもいいぐらいなんですが……。一応、恋人同士にとっては“お決まりの行事”ですよね、バレンタインって」  

いったい、何があったのか。仕事終わりのデートでチョコをもらい、智也さんはその場で箱をあけて、すぐに食べきったという。しかし、その行動が彼女の逆鱗に触れてしまう。 「すごい小さな箱で5個しか入ってなかったんで、『ありがと!』って伝えてからパクパクと食べきってしまったんですよ。そんな小分けに食べる量でもないかなぁと思って。そしたら彼女が『ちょっとーーーー!』って、いきなり声を荒げたんです。何にも悪いことしてないのにどうしたんだろう? って不思議に思っていたら、『何で食べちゃうの!?』って睨みつけてきたんです」  

なんと5個しか入っていなかったチョコは、“本命チョコ”と名高い某高級チョコでお値段は5000円だったそうだ。 「彼女としては、もっと味わって食べて欲しかったらしく、1個くらいは自分で食べたかったみたいなんですよね。僕もそんなお高いチョコって知っていれば、あんな食べ方はしなかったです。“誰でも知ってる”って思ったみたいですが、男はそんなにチョコ詳しくないですよね。『1時間も並んだのに~!』って怒られても、正直知らなかったから……でも、申し訳ないことしました」 

 確かに甘党でなければ、チョコのメーカーまではわからないだろう。チョコの価値がわからなかったゆえに、しくじってしまったのは智也さんだけではない。 


「バレンタイン制度を廃止して欲しい」


 大河さん(37歳・仮名)も彼女から有名メーカーのバレンタインチョコをもらったことがあるという。 「箱が2段になっていて、引き出し(?)みたいなのまでついている、いかにも“本命チョコ”。すごくうれしくてテンションあがりました」  2段なだけありチョコも沢山入っていたが、1個1個大事に食べて、入れ物も大切にしていたという。そして1か月後、ホワイトデーになり、いざお返しを渡すと……。 

「ぬいぐるみ付きのキャンディーセットみたいなのをあげました。会社の子に相談したら『これ、間違いないよ!』って言われたんで」  彼女の喜ぶ顔を期待していたが、お返しを渡した後の第一声は『え、コレ?』だった。 「全然笑わないし、不満そうで何が何だかわからなかったんですが、どうやら彼女のくれたチョコと僕のお返しの額に結構な差があったみたいなんです(苦笑)。僕のあげたやつも7000円ぐらいしたんで、決して安くはないはずなんですが。でも、彼女的には期待以下だったらしく平謝りしました。

  それで後日、会社の子に事の顛末を話したら『彼女にもらったチョコ見せて』って言うんで見せたんです。そしたら、『これ多分、お返しに3万~4万円のアクセが正解だわ、ゴメン』って。どちらにせよ、さすがにホワイトデーでそこまでのものを買うつもりはなかったけど、面倒くさいから、いっそバレンタイン制度を廃止して欲しいです……」

てっきり“本命”だと思っていたのに…

 彼女以外からもらった、いわゆる“義理チョコ”でもトラブルはある。誠さん(27歳・仮名)は同じ部署の後輩に気に入っている子がいた。バレンタインは期待していなかったというが……。 

「その後輩のことは可愛いなぁ〜とは思っていて、何回かサシで飲んだりしたんですが、なかなか進展はなかったんで、チョコをもらえるなんて1ミリも考えていませんでした」  バレンタイン当日、昼休憩が終わる頃、後輩に『ちょっとこっち来てください!』と給湯室に呼ばれる。 「後輩がコソコソ『これ、いつも先輩にお世話になってるんで! 他の人にはあげてないんで内緒にしてくださいね!』って、手作りチョコをくれたんです。これ完全に脈アリじゃんって、マジで嬉しくて。ホワイトデーに絶対告白しなきゃって思ったんです」 

 ホワイトデー間近になり、デートの店の予約もお返しの準備もバッチリした誠さんは後輩を誘う。だが、返ってきた答えは拍子抜けするものだった。 「3月14日の予定を聞いたら、『え? 残業とかですか? え~、彼氏とデートなのになぁ』って言うんです。もう意味がわからなくて。勝手に両思いかと思っていたから、彼氏がいるのも想定外すぎたんですが、カッコつけて『あ、お前彼氏いたんだ? どうせ1人で寂しくしてるのかと思って、お返しに飯でもって思ったんだけど、またな!』って強がったんです。てか、それしか思いつかなかった……」  結局、残業ではないことで彼女には喜ばれたそうだ。しかも手作りチョコは確かに社内では誠さんにしか渡さなかったそうだが、彼氏用に作ったものの余りだったのだ……。 


「浮かれて告白する前で良かったけど、今思い出してもこっ恥ずかしい。義理なら義理って最初に言ってくれ!」  筆者はもうプライベートでバレンタインチョコをあげたのが何年前なのか正直覚えていない。エピソードがあるだけ羨ましいなぁ~と思いつつ、もらう側のメンズにとっても気苦労がたえないイベントなんだなぁとしみじみ感じたのであった



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職場の“義理チョコ”問題。抜け駆け、手作り風…したたかな女性たち

2024年02月14日 19時03分07秒 | 女と男のこと
職場の“義理チョコ”問題。抜け駆け、手作り風…したたかな女性たち

 子どもの頃のバレンタインは、ただ好きな男の子にチョコをあげるだけの楽しいイベントだった。しかし大人になると、仕事の付き合いや関係性上なんとなく渡さなければいけない空気にもなり、それを苦に感じる女性も多い。そんななか、昨今は義理チョコを禁止する職場も増えてきた。 

※画像はイメージです(以下同)


2・14・2020

 一方で「バレンタインって女の本性がでますよ~」と話すのは東京都内で事務職として働く加藤理乃さん(29歳・仮名)だ。現在も義理チョコの文化が続く会社で、女性たちがいかに立ち回っているのか。今回は、意外としたたかな女性の世界を覗き見してみたい。 

「みんなで合同チョコひとつ」の約束を若手社員が抜け駆け

 加藤さんの部署は男性が10名に対して女性は4名。一昨年までバレンタインは自由だったそうだが、昨年から女性社員の間で“ある決まりごと”が出来たそうだ。 「今までは個々にあげていたんですが、その年からは4人合同でチョコを買って渡そうってことになったんです。1人2000円だし合って、チョコの数が多く入っていて、みんなでつまめるようなものを1つだけ買おう、と。  

うちの職場は男性が多いから大変なんです。誰かが結構良いチョコをあげていたりすると、なんとなく値段を揃えなきゃいけない雰囲気になりますしね。まるで結婚式のご祝儀のように(笑)。だから、みんなで買うという案を先輩が言い出してくれて助かったって思いました」  

一方で男性側は、暗黙のルールのごとくもらったチョコよりも高いお返しをくれることが多いという。男性側にとってもひとまとめで済むのでありがたい話だろう。この話を聞く限り、何もトラブルは起きなそうだが……。

 「私たちへのお返しは、女性は人数が少ないので同じお菓子を1つずつ。なのに、なぜか後輩の子が1人だけ部長からスタバの豪華なお返しをもらっていたんですよ」  加藤さんは、スタバの豪華なセットは「おそらく5000円はしそうでした」と話す。なんとその後輩は抜け駆けのような形で合同チョコ以外にコッソリと部長にだけ渡していたという。 「部長は気を良くしていましたけど、だったら何も隠れて渡さないで『部長にはお世話になっているから個人的に渡したいです』とか言ってくれればいいものを……。バレンタイン以降、妙に部長もその子に甘いし、なんだかなぁって思いますよ。あげなかった私たちはなんだか妙な気まずさがありますしね。これでまた次回からどうやって渡すのか考えなきゃいけないから大変です……」  

筆者も以前、とある会社でアルバイトをしていた時に同じような経験をした。「バイトからのチョコは合同にしよう!」とみんなで500円ずつ出し合い、チョコがたくさん入った箱を買ってタイムカードの横に「バレンタインです! お好きにどうぞ!」とメモを添え、置いておいたのだ。  

すると、やっぱり……上司や良いお返しをくれそうな男性社員に個別でチョコを渡していた子が2人ほどいたのだ。もらった上司は「あいつ、俺に気があるなぁ?」と割と前のめりだったが、明らかにお返し狙いだったので、女子一同は苦笑いだった。

手作り”を装った義理チョコに男性一同が歓喜  

なんだかんだで男性から意外と喜ばれるのが手作りチョコ。現役女子大生のユキミさん(21歳・仮名)が「同じバイト先の子なんですけど、上手い子がいたんですよ」と教えてくれた。 「バイト仲間のAちゃんがバレンタインに『味に保証はないけど~』とか言いつつ、個々にラッピングしたチョコをみんなに配ってたんです」  中身は小さいトリュフがいくつか入っていて、男子だけではなく女子にも配られた。 「食べてみたら普通に美味しいんですよ。ラッピングも凝ってるし、男も『女子力高いなぁ~』って関心してたんです。でも、どっかで食べた味なんですよね……」  

どうしても気になったユキミさんは、Aちゃんに「すごい美味しかったから、作り方知りたい!」と聞いてみたそうだ。するとAちゃんは笑いながら「あれ、100均のトリュフに粉砂糖を振りかけてラッピングしただけだよ。ラッピングも100均。意外とバレなくてウケる」と暴露したそうだ。 「確かにAちゃんはお菓子作りはおろか、そもそも料理をしないタイプ。言われてみたらまぁそうかって思いましたけど、彼女のやり方は良いなって。10人分がひと手間で終わるし、合計1000円ぐらいで済む。なにより気がついてない男たちは喜んでいましたから。来年は私もこのやり方をマネしようと思います。  

やっぱり女子にとってバレンタインって難しいんですよ。お世話になっている人だけあげるのは気まずいし、かと言って全員にあげると予算的にキツい。律儀に全員あげても、お返しすらくれない男もいますからね。告白してないのにフラれた気分になりますもん」  バレンタインは女性にとって悩みが尽きないことから、職場では消えつつもあるイベントだが、それでも男性諸君がチョコをもらえたならば、ぜひ温かい目で見てほしい。<取材・文/吉沢さりぃ>



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バレンタイン激変、女子中学生の告白事情 

2024年02月14日 18時03分32秒 | 女と男のこと
バレンタイン激変、中学生の告白事情 ニコラ編集長語る



 かつては「意中の相手に思いを伝える日」だったバレンタイン。いま、10代の若者の間では別の意味を持つようです。この15年ほどで激変したバレンタイン事情って? コロナ禍の今年は? 新垣結衣さんや川口春奈さんもモデルとして活躍し、中学生に大きな影響力を持つ雑誌「nicola(ニコラ)」の小島知夏(ともか)編集長に聞きました。 【写真】初日に完売した「鬼滅の刃」限定チョコ=西武池袋本店    


  


◇  中学生の間では、バレンタインといえば手作りのチョコを友達どうしで配り合う日、というのがトレンドだと思います。男の子を呼び出して告白しながらチョコを渡す――というシチュエーションは激減しているのではないでしょうか。 

 こうした友達どうしで配り合うチョコは「友チョコ」と呼ばれ、ニコラの毎年恒例のバレンタイン特集でも、多くのページを割いてきました。読者の平均では、だいたい1人あたりで配る数は30~50個。クラスの女子全員分と、部活の仲間などに渡す分を含めると、多くなるそうです。 

 チョコに星やハート形のトッピングをしたり、アイシングクッキーに好きなキャラクターを描いたり。渡した相手から「かわいい」「すごいね」と言われることを期待して、頑張っているのです。  

とはいえ、中学生の多感な時期でもあるため、「あの子にもらっちゃったけれど、渡すチョコがもうなくて困った」「あの子は私にはくれなかった」といった声もあります。 

2・11・2021

 大変そうだな、ということもあるのですが、実はいい話も結構あるのです。「話したことがなかった子にあげたことがきっかけで、とても仲良くなれた」「あまり接点がなかった子からもらったとき、『こんなすごいのが作れるんだ!』と会話の糸口になった」など、彼女たちの人間関係の構築にも一役買っているようです。 

読者アンケートをとってみたら  

この10年ほどで、友チョコのレベルは格段に上がりました。手作りキットが多く売り出されたり、100円ショップでラッピング用品が種類豊富に置かれるようになったりしたことも背景にあります。 

 ただ今年は、コロナ禍の中でニコラとしてもバレンタインをどう迎えるか、とても悩みました。例年のように手作りを推奨していいのか、そもそもバレンタインを盛り上げるべきなのか……。  

そこで、読者アンケートをとりました。「もうバレンタインはしない」という声が多く寄せられることを予想していたのですが、結果は8割が「バレンタインに、友チョコを渡したい」と回答してくれました。さらにそのうち4割は、今年も手作りを検討していたのです。 

 コロナ禍で、子どもたちはいろいろなイベントや行事を我慢してきました。部活で中学生最後の大会がなくなったという読者もいます。だからこそ、「バレンタインまで奪わないでほしい」という思いだったのかなぁと推測しています。  

そこで今年の2月1日発売の号では、例年のバレンタイン特集よりはページを減らしつつも、手作りをしなくても楽しめる方法を提案したり、手作りするにしてもどう感染を予防するかを紹介したりすることにしました。  

大人から見ると驚くような変化を遂げてきた彼女たちのバレンタインですが、その背景にある彼女たちの思いもくんで、試行錯誤していきたいなぁと思っています。




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