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映画・演劇のレビュー

碧野圭『凜として弓を引く 初陣篇』

2024-05-01 23:21:00 | その他
シリーズ第3作だ。高校2年になり、部員も男女3名ずつになって、初めて試合に出ることが可能になった初陣からスタートする。今回は学校のクラブ活動がメインになる。弓道会から学校に舞台を完全に移し、試合会場での出来事がお話の中心を為す。だから初陣篇。たった6人の同好会だけど、公式戦に挑戦して関東大会出場を目指す。よくあるスポーツ学園ドラマになる。最初の驚きはもうなく、予定調和になるのは残念だが、飽きさせる . . . 本文を読む
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小野寺史宜『うたう』

2024-05-01 07:43:00 | その他
『ひと』『まち』『いえ』に続くシリーズの第4作。どうせなら、『うた』にすればいいのに、と思ったが、敢えて『うたう』。意思が入っている。能動的に。27歳になった絹枝はうたう。亡くなった母に合唱団に誘われたときは、ためらった。あれは14歳だった。  お話はそこから始まり、大学で彼女が一緒になった3人の話になる。彼らとバンドを組んだ。ギターの伊勢。ベースの堀岡。ドラムの永田。そしてボーカルは . . . 本文を読む
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山崎ナオコーラ『あきらめる』

2024-05-01 06:33:00 | その他
なんとSFなのか、と驚くが、あまり関係なくてほっとする。(ほっとする必要はないけど)朝の散歩の話題で、火星に移住とかいう話をするところから始まって、えっ、と思うがこれはナオコーラである。SFなんかじゃない。  彼女がそんな大胆なことはしないし、いや、する。要するにどちらでも同じことなのだ。たとえSF世界の話であろうと、いつもと同じくらいにいつものナオコーラなのである。  今 . . . 本文を読む
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村山由佳『二人キリ』

2024-05-01 05:11:00 | その他
阿部定を村山由佳が描く500ページに及ぶ大長編。吉蔵の息子である吉弥の視点から定へのインタビューを通して描かれる。吉弥の友人である映画監督は大島渚がモデルなのか。それなら吉弥は若松孝二か? もちろんフィクションだけど、吉蔵の妾の子という視点の設定は凄い。現実の阿部定による調書や、当時の新聞記事を使いながら、虚実皮膜の間で、作家である村山由佳の視点から真実に迫る力作。  吉弥による関係し . . . 本文を読む
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