シニア男性の人生の多くは学校を卒業して定年まで働くという
のが一般的でどちらかというと単線的である、それに対して女
性の場合は結婚して専業主婦、もしくは仕事を続けるかと岐路
に立たされたり、母になるか否か、子育てに専念するか否か等、
その都度立ち止まり塾考することを迫られてきたはずだと老年
学専門家の秋山弘子氏は指摘している。
男性は仕事に費やす時間が長い一方で家事に費やす時間は短い、
平日も休日も日常的な家事は女性が多く引き受けている、男は
外で戦い女が家庭を守るという私たちシニア世代、家事は重要
な仕事なのに重視しなかったのでは?という問いかけに返す言
葉がない、そしてシニア女性の幸福度についてのアンケート結
果に見える人生模様は自分なりに懸命にやってきたと肯定と自
負を感じさせる内容だった。
■40年間、看護師として勤めた、夫と義母のためにと懸命に
働き私がローンを組んで戸建てを買った、真面目に生きてきた
(80歳)
■昨年、息子を亡くした原因が同居している実母にある、その
母を介護しなければならないというやり場のな憤りに苦しんで
いるが、これまでに良い事もあったので、トータルでいい人生
だったと思えるようにしたい。(56歳)
■幼少期に片親となり親類の家で8年間育てられた、その日々
があったので、これまでどんなにつらいことがあっても耐えら
れたと思う、知的障害のある長男を産んだことで夫と姑からひ
どい仕打ちを受けたが、今は息子と保護猫との暮らしに幸せを
感じている、血の繋がらない私を厳しくもきちんと教育してく
れた継母に感謝している(62歳)
■私たちが物心つく頃の日本は貧しかった、今は何でも欲しい
ものが手に入って幸せな時代だが、子供ができなかったことが
唯一の心残りだ(82歳)