ぶきっちょハンドメイド 改 セキララ造影CT

ほぼ毎週、主に大人の童話を書いています。それは私にとってストリップよりストリップ。そして造影剤の排出にも似ています。

Lの物語ー夫人ー

2019-09-13 07:00:20 | 大人の童話
その部屋の内壁には、遠方から取り寄せた、熱と湿気を吸出する石が張り巡らしてあり
、雨続きの秋の日でも、幾分過ごし易かった。
中央にある大きな天蓋の中には、婚姻の際誂えた、ゆったりとした寝台と揃いのテーブルが、二組並んでいた。
そのテーブルの片方には、読書用に角度を変化させる他、幾つかの細工が施されていた。
寝台で上体を起こし、インク壺とペン立てを置き、紙をバネ細工で押さえて、公爵夫人は満面の笑顔を画家に向けた。
「嬉しい!これで読むだけじゃなく、自由に書けるわ。有難う!」
「お易いご用です。ところで何をお書きになるのですか?」
「お話をね、書き留めておきたいの。神話や伝承の本を沢山読んでいると、色んな場面が浮かんで来て。寝ながらお話に組み立てているの」
画家は少し目を見張ってから、大きく頷いた。
「それは是非、読ませて頂きたいです。どんなお話しなのですか?」
「子供向けの短いお話ばかりなのだけれど、夫は喜んで聞いてくれるの」
「では、書くのも公爵様の為に?」
「ええ、でもまだこれも内緒にしておいてね」
夫人が悪戯っぽく笑った。
「はい。確かに」
画家も口の端を上げて返した。
眉の長い老け顔も、そうすると二十歳そこそこの年相応に見える。
「では、私はそろそろ、絵描きに戻らせて頂きます
「一年がかりの仕事だなんて。夫が無理を言ってご免なさいね」
「いいえ、残りは冬の東西南北。奥様の誕生日には、間に合うと思います」
「有難う」
夫人はふわりと微笑んだ。
「ところで足はどうなさったの?。普通に歩いていらっしゃるようで、足音が少しおかしいわ」
画家が苦笑した。
「陽気のせいで、古傷が少し痛むだけです。お気になさらず」
「そうなのですか」
夫人から珍しく笑顔が消え、ふっくらとした唇には、白い指先が当てられた。

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大人はあまり使わなくなったイヤリング等を、タペストリーにして飾っています。

画像は私のジャンクジュエリーが中心です。



材料
グリップ
ピアス、イヤリング等
刺繍布
細いワイヤー

道具
ニッパー
 
ピアスを刺繍布に通し、止める。
キャッチがあるもの、リングのもの以外は、ワイヤーで後ろから固定する。
上にクリップを止める。