客達の食器を洗い終え、朝食の下拵えも一段落ついて、宿屋の夫婦は暖炉の前で、甘いお茶を飲んでいた。
「明日は早く発つの?」
夫は頷いた。
「ああ。俺の下手な昔話で、奥方様の気が紛れるならな。朝出れば明後日の昼には着く」
妻の鬢の毛が一筋、スカーフの隙間から滑り落ちた。
「お小さい頃から、お身体がお弱くてはね」
「そうだな。最初一人で公爵様がいらっしゃった時には驚いたもんだが。話をうかがっているうちに、お気持ちが伝わって.....。伝わり過ぎたかもしれん」
夫婦は顔を見合せて、小さく笑った。
夫は妻の銀髪を、耳にかけてそのまま、頬を手で包んだ。
「私にも、伝わっているから大丈夫」
妻は夫の首に両腕を回した。
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夫人はスカーフを愛用。
色々アレンジして、静かにお洒落を楽しんでいます。
夫人のスカーフ。
モデルは扇風機。
材料
木綿のスカーフ(ダイソー)
はんこ用消しゴム(ダイソー)
トレーシングペーパー(ダイソー)
そめーる絵の具
紙 下書き用
布 試し押し用
筆
鉛筆又はシャープペンシル
彫刻刀
1ー紙に図案を描く。
2ー図案を鉛筆又はシャープペンシルで、トレーシングペーパーでなぞる。
3ー裏返して消しゴムに重ね、擦って図案を写す。
4ー図案部を残して、45度の角度で消しゴムを削る。
5ー絵の具を筆に取り、消しゴムに乗せ、試し押しをする。
6ー修正があれば、する。
7ー絵の具を筆に取り、消しゴムに乗せ、スカーフの下に紙等を敷いて、押していく。
8ースカーフをよく乾かす。
9ースカーフを洗う。