「ダリューン。カーラーンに出会しても殺すなよ」殺せること前提のナルサス。「奴は何やら途方もないことを知っているに違いない」「わかっている」「途方もないこと?」「ただそれが何事であるか、今のところまるで見当もつきません」ナルサスはややはぐらかした。「故有ってのことです」アルスラーンはカーラーンの言葉を思い出した。
アズライールは空を舞い、辺境のペシャワール城塞に着いた。兵の訓練を見ていたキシュワードはアズライールの鳴き声に顔を上げた。アズライールはキシュワードの左腕に舞い降り、そのまま爪の足でガシガシと左肩によじ登った。「お主、アルスラーン殿下の御供に行っていたはずでは?」当の王子にはキシュワードのところに行けと言われたアズライール。ここで「キシュワード!」早馬の報せを聞いた万騎長バフマンからアトロパテネの変事と王の失踪、王都にルシタニア軍が進軍していることがキシュワードに伝えられた!!
ルシタニア軍は途中の街や村を襲い虐殺を繰り返し、王都エクバターナの城壁前にまで迫っていた!! パルス軍は多重の城門の隔壁を次々と下ろした! 城内の人々は状況がよくわかっていない様子だった。サームとガルシャースフの両万騎長は険しい表情で事態に対応した。城壁からパルス軍が相手の出方を見ていると、馬に引かせた奇妙な台座が一台先頭に出てきた。台座には柱が有り、柱には血塗れで半裸の屈強な男が厳重に縛り付けられていた。柱の側には異様な風貌の武装した老人が立っていた。
縛り付けられた男は万騎長シャプールだった! 動揺するパルス兵達。「聞けぇッ! 城中の神を恐れぬ異教徒供よ!!」異様な風貌の老人は吠えた!「ワシは唯一絶対の神、イアルダボートに御仕えする聖職者、大司祭にして異端審問官!! ボダンであるッ!!!」
4に続く
アズライールは空を舞い、辺境のペシャワール城塞に着いた。兵の訓練を見ていたキシュワードはアズライールの鳴き声に顔を上げた。アズライールはキシュワードの左腕に舞い降り、そのまま爪の足でガシガシと左肩によじ登った。「お主、アルスラーン殿下の御供に行っていたはずでは?」当の王子にはキシュワードのところに行けと言われたアズライール。ここで「キシュワード!」早馬の報せを聞いた万騎長バフマンからアトロパテネの変事と王の失踪、王都にルシタニア軍が進軍していることがキシュワードに伝えられた!!
ルシタニア軍は途中の街や村を襲い虐殺を繰り返し、王都エクバターナの城壁前にまで迫っていた!! パルス軍は多重の城門の隔壁を次々と下ろした! 城内の人々は状況がよくわかっていない様子だった。サームとガルシャースフの両万騎長は険しい表情で事態に対応した。城壁からパルス軍が相手の出方を見ていると、馬に引かせた奇妙な台座が一台先頭に出てきた。台座には柱が有り、柱には血塗れで半裸の屈強な男が厳重に縛り付けられていた。柱の側には異様な風貌の武装した老人が立っていた。
縛り付けられた男は万騎長シャプールだった! 動揺するパルス兵達。「聞けぇッ! 城中の神を恐れぬ異教徒供よ!!」異様な風貌の老人は吠えた!「ワシは唯一絶対の神、イアルダボートに御仕えする聖職者、大司祭にして異端審問官!! ボダンであるッ!!!」
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