野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

裏高尾ハナネコノメ

2013-03-22 | 野の花

 

 

 裏高尾の沢にひっそりと咲くハナネコノメを今年も訪ねた。

 3月の頃になると梅が咲き始めるので、裏高尾はハイカーがいつにもまして多い。まして今年は梅の開花が遅れ、ちょうどハナネコノメのシーズンと重なってしまったようだ。例年と比べて梅郷から小仏の道を歩く人がたくさん見られた。

 沢に降りると大岩にへばりつくように白い花を咲かせている

 

 

 立ち位置を変えると色合いも変わる

 

 

 いつもながら赤い蕊と黄色い蕊(葯が落ちた後?)が可愛い

 

 

 小沢の水しぶきを浴びながら懸命に咲いている姿が何とも健気だ。

 

 

 ハナネコノメは薄暗い沢に咲いているので、早朝に出かけて行っても光が当たらず映えない。よって写すには晴れた日で、渓に日がさす昼近くが一番良いように思う。

 

 白い小さな花を支える葉も可愛い

 

 

 

 中には一つの場所を占拠して、延々半時間近く三脚を据えて粘る人もいるがこれは良くない。

 

2,30mも歩けば同じような岩があり、同じように咲いているのだから一か所に粘る必要はない。年をとっても周囲に気配りできる人でいたいと思う。花の美しさは独占せず、みんなで分かち合った方がより楽しめるのだから。

 

 

 この時期に咲くのはハナネコノメだけではない。

かわいそうな名前を付けられているが、結構きれいなヨゴレネコノメ

 

 ユニークな花の形をしたコチャルメルソウ

 

 清楚で凛としたアズマイチゲ

 

 早い時期はこのスミレ(アオイスミレでいいのかちょっと自信がない)。3月下旬になると、エイザンスミレやマルバスミレと咲き、4月に入るとタカオスミレも咲きだしスミレの仲間は当分途切れることがない。

 

 ニリンソウは咲きだしたばかり

 

 沢筋でよく見かける小さな白い花はユリワサビ

 

 カンスゲのなかま

 

 下ばかり探していると見逃してしまうが、上を見ると木の花も咲きだしている。

アブラチャン

 

 花弁のない一風変わった花を咲かしているのはフサザクラ、原始的な植物の一つでタニグワの名前もある。

 

 今日はこの辺で。

 


吾妻山公園の菜の花と箱根駅伝

2013-01-02 | 野の花

 1月2日の今日は箱根駅伝を見に行ってきた。まずは遥々中央線から湘南新宿ラインを通って二宮駅まで、といってもわからないだろうが、平塚大磯ときて次の駅だ。着いたのは朝9時半過ぎ。思ったより風もあり肌寒い。このあたりの箱根駅伝の選手の通過時刻は11時半ごろだからまだ2時間弱余裕があるので吾妻山公園へ。

 

 冬日に輝く海がきれいだ

 

 遠く向こうには江の島がかすんで見える、ちょうど真ん中あたりにある島なのだが霞んで見えないか

 

 駅から急な階段を上って20分あまり、水仙も咲きだしていた

 

 お目当ての菜の花もまだ満開とは言い難いが、結構咲き始めていた。

 

  向こうに見える海は相模湾

 

 反対側には富士山が、今日は随分とシャイなようだ

 

 この公園の山のてっぺんは芝生になっていてのびのびと寛げる。枯れた芝生の上を子供たちが寝ころびながらローリングしていた。

 

 頂上のシンボルツリー、これはエノキ野鳥の大好きな実をつける木だ。

 

 

老若男女沢山の人が登ってきている。

 

 相模湾の向こうには伊豆半島。今日はあいにくの靄で先端の初島や式根島などが見えない

 

 

 展望台からの景色は富士山と丹沢の峰々

 

 

 

 そろそろ11時も過ぎた、下を箱根駅伝の選手が通過する時間が近づいてきた。

 11時半になって上空をランナーの様子を伝えるヘリが飛んできた。

まずは1号車

 

 また5分ほどで2号車

 

 そして野次馬の民間自転車野郎が数十台通過してから、やっと白バイが見えてきた。

 

いよいよ本番のテレビ中継車。その後に見える紺色のユニフォームは前評判通りの東洋大の選手

 

 

 

 更に2分ほどたってから姿を現したのが 早稲田と日体大の2選手、随分離されてしまったものだ

 

  そのあと駒沢、山梨学院ときて終わりの上武大、東農大と通過していった。僅か10足らずあっという間だった。

 

 

 そして選手の通過していったあとは例年のようにバイクの軍団。

 

 

  帰りは小田原から久しぶりにロマンスカーに乗って新宿まで。良い一日だった。 

 


揺れるレンゲショウマ

2012-08-22 | 野の花

 レンゲショウマ(蓮華升麻)はキンポウゲ科レンゲショウマ属の多年草。本州中央部(福島県から奈良県まで)の太平洋側の山地に生える日本特産の植物。和名は花が蓮に似ていて、葉はサラシナショウマに似ているところからつけられた。肉厚で透明感があり淡い紫色を帯びた花は下を向いて咲き、森を渡る微風に揺れて人を誘う。

 

レンゲショウマ


林床に咲く野の花たち

2012-05-06 | 野の花

 暦の上では立夏となったが、武蔵野の面影を色濃く残す空堀川沿いの疎林では、春の花たちが今を盛りと咲いている。

スミレは大方枯れてしまったが、その弟分のジロボウエンゴサクが草むらからユーモラスな顔を見せていた。

 

 

 日当たりの少ない林床ではこの時期、ラン科の二つの花がひっそりと咲き始める。キンランとギンランだ。

 

 

 

 

晴れた日はかなビラを精一杯開いて陽光を浴びている

 

 

 

 

 日本の野で咲く花には珍しく艶やかな姿をしている

 

 

 こちらは地味なギンラン。

 

 

 

 空堀川は夏には干上がってしまうほどの、名の通りの水量の少ない川だ。今の時期は川岸がカラシナの黄色で覆われて、春らしい雰囲気を見せてくれる。

 

5月にもなると、ニリンソウに少し遅れてイチリンソウが咲き始める。

 

 咲き残っていたニリンソウと比べると、花弁の大きさがだいぶ違う。

 

 川を下っていくと東村山から清瀬へと移っていくが、このあたりではカタクリの自生地が大切に保護されている。今の時期カタクリはとうに枯れてしまっているが、変わってイカリソウが盛りを迎えていた。

 

 

 

 

 この花も以前は奥武蔵や奥多摩でも簡単に見られたのだが、今ではずいぶん稀になってしまった。

 

 

 

花を自然の姿でみられるこうした保護地が近くにあることは何と幸せなことだろう。それを支えてくれている見ず知らずの人に感謝を捧げたい。

同じ場所にクサイチゴやヘビイチゴ、ホウチャクソウも見られた。

 

 

 

 

 この辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウワミズザクラ緑色幻夢

2011-05-02 | 野の花

  

 ウワミズザクラ(上溝桜)は谷合や沢の近くに自生し、ソメイヨシノが散ってしまった後に咲き始める。樹高は10m~15mと結構高いので山歩きの時などは気づかず通り過ぎてしまうことが多い。私の場合は山道に散り落ちた花穂で、上を見上げて、初めてああ咲いていたのかと知ることが殆どだ。

 

 

 

 私はこの木の名を初めウワズミザクラと間違って覚えていた。がそういう間違いは私だけで無いようで、他でも見かけることがあった。別名にハハカ(波々迦)というのがあるが、その謂われはここに。他にはコンゴウザクラなど。尚、日光山輪王寺内にある金剛桜は別種でヤマザクラの系統。

 

 

 初めて存在を知ったのは八王子高尾にある森林科学園でだった。その時はこれが桜かと驚いたものだ。その後、どうしてそれまで見つけられなかったのか不思議な位、春先の山歩きのたびに何度も出会った。良くあることだが、出会って初めて人はその存在に気付き、そしてそれが案外至る所にあったことを知るようだ。

 

  背の高い木なのでいつもは花の撮影に苦労するのだが、この時は嬉しいことに3、4mぐらいの手ごろな高さの木に出会えた。花の時期も折よく、ちょうど最盛期を迎えていて見事だった。

 

 

 

 

 何時の日か、食用にされるという花穂や未熟果、そして熟した実のジャムを食べてみたいものだ。どんな味がするのだろう。

 

 岡本かの子の歌に、「桜ばな いのち一ぱい 咲くからに 命をかけて われ眺めたり」というのがあった。 花を眺めるということを、花と我との二つの命の対峙と捉えたのだろうか。

 

 この辺で。