野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

花猫の目賛

2011-03-31 | 野の花
 

 ここ数年は早春、高尾や奥武蔵にハナネコノメを撮りに行くのが習わしとなっている。一本の花茎に2~4個の純白の花びら(がく片)をつけ、花弁の先からは赤い蕊がひょっこりと顔を出していて可愛らしい。おしべの葯は開花が進むにつれて黄色となり、やがては花粉を落とし白色になっていく。



 沢の雪解け水はまだ冷たい



 深い谷間に日が差し込む昼前時がハナネコノメを撮る絶好の時間帯










 光が乱舞し、幻想的なシーンを演出する














 光の遊びか、こんな色に背景が変わる時もある。











 湾曲した葉先が白い虹を作る










 春先の柔らかい日差しが花だけでなく、傍らを流れる小沢の水面に煌めいている。まるでスポットライトを浴びて踊る小さな妖精のように……。








 大岩の群生




 そして群れから離れ、新天地を求める







  
 近づいて見ると可憐な姿に似合わず、細い花茎にはびっしりと毛が密生している。早春の厳しい環境を生き抜く逞しさも持っていることが知れる。















 この辺で  

裏高尾小下沢の春

2011-03-24 | 野の花
  小下沢(こげさわ)に咲くハナネコノメ


 ハナネコノメとアズマイチゲに出会えるのを期待して、高尾駅に降り立ったのは3連休2日目の日曜日。高尾までの中央線とそこから先の小仏までのバスが、震災以来通常通り運行されているのか不安だったのだが、意外とすんなり行って来ることができた。


 裏高尾で一番早く花を咲かすハナネコノメは日影沢に至る途中にある。岩にへばりつくように咲いているのがハナネコノメ、ユキノシタ科の多年草だ。




 ここのはまだ蕾がほころび始めたばかりで、花全体が長方形をしている。




 そ少し先の岩に群生しているハナネコノメは随分咲き進んでいた。




 白い花と紅紫色の葯がハナネコノメの特徴。花粉が落ちると黄色く、そして白色へと変わっていく。









 同じ時期に花を咲かせているのだが、あまり人に注目されないコチャルメルソウ



 小仏との分岐から森の図書館寄りに入った所はアズマイチゲの多い場所なのだが、今年から対岸の立ち入りが規制されていた。



 それでも近くを探せばポツリポツリと咲きだしてはいる。



 咲きだしばかりで薄桃色を帯びている花弁が初々しい。



 日が差す所では見事に花弁を開いてくれる。






 傍らにひっそりと咲くヨゴレネコノメ、よく見ると美しいのでこの名前は可愛そう。



 場所を変えて小下沢の方へ向かった。暖かい日差しを浴びてツクシ、フキノトウ、オオイヌノフグリが咲いていた。









 ちょうど見ごろの小下沢梅林。すぐ傍らを中央高速が走っている。震災のあおりで人出は疎ら、梅林の係り員が手持無沙汰そう。



 その先を景信山の登山口分岐のある広場まで歩いた。



 やっと見つけたスミレとヤマルリソウ






 フユイチゴの真っ赤な実(後でネットで調べてみたら、結構おいしいとのこと。)



 食べると幻覚症状をおこし、そこら中を走り回るところから名づけられたハシリドコロ。見た目はおいしそうで食べられそうに見える。



 見上げるとフサザクラが花芽を綻ばせている。フサザクラは花弁のない珍しい木の花、サクラの名は付けられているものの桜の仲間ではない。



 そのすぐ隣で咲いているのはアブラチャン



 花だけではない、生き物も春の温かみを感じて活動を始めている。私の小さい図鑑では名の分からなかったチョウ



 オタマジャクシも道端の水たまりで見られた。



 岩から出てきたトカゲ



 見事な囀りを聞かせてくれたミソサザイ



 広場の所までやってきた。ここは日当たりが充分なせいか、再び咲きだしたハナネコノメに出会えた。











 アズマイチゲ






 日があたって暫くすると十数枚の白い花弁をいっぱいに開き切る。







 傍らにはピンク色のニリンソウ、咲きだしたばかりは可憐なのだが……。



 ハナアブも開花を嗅ぎつけて早速やってきた。



 お終いは花数としては一番多く、至る所で見ることができたユリワサビ。アブラナ科特有の4弁の花びらをもつ。よく見ると充分可愛らしい花なのだが、沢山ありすぎると文字通り有難味が感じられないのが可哀そうだ。




 早春の裏高尾通いは当分止められそうにもない。


 >この辺で。

多摩動物園

2011-01-10 | 野の花
 年が明けてからずっと気持のよい晴天が続いている。風もない穏やかな冬日、久しぶりに多摩動物園を訪ねた。




 入口から右へと坂を登っていくと、チョウやバッタが放し飼いにされている昆虫生態園がある。



 一番数も多く良く目立っているオオゴマダラ



 ツマベニチョウ



 スジグロカバマダラ



 野生でよく見かける渡り蝶のアサギマダラと似ているが、これはリュウキュウアサギマダラという種のようだ。



 最近関東でも目撃例の増えているナガサキアゲハ



 いなくなっていたハチドリが復活していたのは嬉しかった。正式にはチャムネエメラルドハチドリという名前らしい。お気に入りの場所らしく、いなくなっていてもすぐに戻ってくる。2mほど近寄っても逃げずにポーズを撮ってくれた。






 キチョウもいる。



 これはオオムラサキ



 昆虫園ではホタルやグローワーム等も観察できたのだが、暗闇の中フラッシュなしでは見られるような写真は全く撮れなかった。昆虫園を後にしてアフリカ園へ

 チーターは結構、悪相をしている。



 日向ぼっこに夢中で、傍を通りかかったライオンバスには見向きもしなかったライオンたち



 アフリカゾウ



 コウノトリ


 ケージの中のコウノトリ



 頭上には放し飼いのアオサギ



 チンパンジー



 アジア園のトナカイ



 オーストラリア園に入った。集団でフンまみれで寛いでいるカンガルーたち




 コアラは敷居の向こうの仲間に会いたがっても、フェンスを引っ掻いてがいていた。結構すばしっこく動くのには驚いた。



 再びアジア園へ、シフゾウ。



 トラ



 オランウータンのスカイウォークをやっていたが間に合わなかった






 人気が高いレッサーパンダ







 ゴールデンターキン




 ユキヒョウ




 シロオリックスは角が長い



 インコ広場のシロフクロウとメンフクロウ






 ウォ-クインバードケージの中の鳥たち
フラミンゴ



 タゲリに似ているが



 クロツラヘラサギ



 水浴びして気持ちよさそうなツクシガモ



 水鳥橋の下にはサカツラガン



 入口付近に戻ってきたのは3時間後



  歩数計を見ると一万歩になろうとしている。目の保養も出来たし、登り下りも適度にあって良い散歩にもなった。入園料600円の元は十分とったぞ~。



赤城自然園

2010-11-17 | 野の花
 暫く休園していた赤城自然園が今年になって開園しているのを知り、出かけてきた。着いたのは9時の開園15分ほど前だったが、快く迎え入れてくれた。



 看板で見ると以前来た時と変わってはいない






 落ち葉の敷き詰められた道を行く。



 入口でもらったパンフレットのマップ。

 赤城自然園は大きく3つのゾーンに分かれている。入口近くのゾーンはセゾンガーデンとなっていて、左に折れるとシャクナゲ園、右にはツツジの丘があり、英国庭園風の造りとなっている


 落ち葉の中に原種シクラメンやマンテマのような花が咲いている。






 カエデとカラマツが黄を争っている。






 さすがにこの時期花は少ないものの、それでも霜降に負けない花もある。ピンクのサルビア、シュウメイギク、アワコガネギク。










 この赤い実はガマズミだろうか



 ひときわ大きなカエデの木があった






 手毬咲きのあじさいの紅葉。葉ではないから紅葉は変だろうか



 セゾンガーデンの東端しばふ広場まで来た。






 足元に咲く花はタツナミソウに似ている







 四季の森ゾーンの北端を抜ける。以前来た時は5月、一帯にはユキザサの花が多かったのを覚えている。真っ赤に熟したユキザサの実



 ゆっくりと一時間半もかけてやっとナナフシ橋まで来た。ここから先が自然生態園となっている。






 カエデも樹種が多いので様々な色合いの紅葉を楽しむことができる。










 まだ葉が残っているガマズミ。赤いルビーのような実が美しい

 

 自然生態園の一帯には低木の広葉樹がおおい。



 危うく踏みそうになった、落ち葉の先にチョウが止まっていた。気温が下がっているせいか、近づいても飛び立とうとはしない。



 野草の原っぱ、カタクリ林を抜け、トンボの池がある昆虫館まで来た。



 池の周りにはアザミが枯れずに残っている。






 ニシキギの紅葉



 昆虫館の建物の脇に落ちていたカラタチの実が丸太に載せられている。


 
 昆虫館を出た時、ドスンというガラスにぶつかる音がした。何かと思って近づいて見ると柱の横にカケスを見つけた。どうやら脳震盪を起こしているようだ。近づいても逃げようとしない。




 少し経って意識が戻ったのか屋根の上に飛び立っていった。
 


 <長くなったので明日へ>

編笠山を登る

2010-09-06 | 野の花
 編笠山は八ヶ岳の最南端に位置する山だ。標高2524mで、頂上からは南側正面に甲斐駒を筆頭とした南アルプスの山並みが望め、南東側には富士山、南西側には木曽駒ヶ岳や更に西寄りには北アルプスの峰々まで展望できる。

 登山口の観音平(標高1565m)に着いたのは、11時少し前。駐車場は10数台の車と3台の大型バスで一杯、やっと一台分の空きを見つけ、車を止めた。今夜泊まる予定の青年小屋までは標準コースタイムが3時間半ぐらいなので、余裕を持って登っていける。






 山ブドウの実が膨らみ始めていた。



 人の形をした岩が急に表れ、驚いた。



 笹藪の間を登っていくのだが、途中はママコナが多い。数は少ないがトリカブトも咲きだしている。



 これはヒメシャジンか



 一時間ほどで雲海



 更に一時間登って標高2100mの押手川、ここで小休止して軽食をとった。



 押手川からは岩場の急登の連続となった。



 シナノオトギリ






 ウメバチソウ



 上から高校生位の集団(100名ほど)がキャッキャッ言いながら降りてきた。遠足だろうか。仕方がないので暫く脇に寄って待つことにした。

 タカネマツムシソウ



 コケモモ、だんだんと高山の植物が多くなってきた。



 2時少し前、編笠山頂上に着く。頂上は広く岩で覆われている。






 北側の山麓には青年小屋が見える。奥には八ヶ岳最高峰の赤岳も覗いている。



 そのまま休まずに大岩の間を下りて行った。



 30分ほどで小屋に到着。小屋脇に植えられたヤナギランがまぶしい。






 この青年小屋は以前は青年修練宿舎と呼ばれて、修験道の道場として栄えていたそうだ。今は入口脇には「遠い飲み屋」の看板が、あぁ時代は移り変わっていくのだ。



 中に入り早速手続きを済ませ、夕食まで付近を散策することにした。
 トウヤクリンドウ



 キノコもたくさん生えているのだが、全く名前は分からない。






 オヤマリンドウ



 ハハコグサ



 水を補給しがてら近くの西岳方面に足を伸ばした。途中キノコや秋の実などが多い。
 真っ赤なハリブキの実



 シダ植物の一種エゾヒカゲノカズラ



 ガンコウラン



 これはタケシマランの実



 ゴゼンタチバナの実



 マイヅルソウ




 5分ほどで着いた乙女の水、ペットボトル2本に詰めて更に手酌で飲んだ。渇いた喉にしみわたりうまかった。



 小屋に戻って早い夕食(5時半)をとると、陽もすっかり編笠山の斜面に落ち、いつの間にか周囲にもガスが立ち込めてきた。

 岩の上に微かに富士が見える。



 テント張っている人が一人だけいた。




 

 翌日は権現岳に登ったのだが、長くなったので次回へ