労災事故のオンパレードに整理解雇、倒産ラッシュ…なつかしの昭和49年

鋼材落ち即死・クレーンのつり部腐食・３００キロの下敷き
建築現場でパイプ頭を直撃・女子作業員けが
工員、腰の骨折り重症・作業中4メートル転落

労災事故のオンパレードである。

8年前に亡くなった祖母の衣類を整理していたら、タンスに昭和49年の地元の新聞が敷いてあった。亡くなった当時、昭和2年の新愛知という新聞がでてきたきたので、49年では驚かないが、自分が4歳のときの地元の新聞というのはなつかしいというか、覚えていないだけに、どんな時代だったのか興味をそそられる。

他の記事はというと…

また二社で人員整理・希望退職や休業通告・強制解雇の恐れも

吹き荒れる解雇風・8企業で230人も・わずか1か月・職安、対策に苦慮

繊維不況の重要性・安易な人員整理はやめよ（社説）

木材業界に緊急融資

倒産ラッシュ再燃か・今月県内すでに１４件・他業種に及ぶ・連鎖のケース目立つ


昭和49年、1974年はオイルショックの年でした。

オイルショックを機に、それまで職務給へ転換していこうとしていた雇用政策が一気に、日本型の、職務を限定しない職能給に変わっていった様子は、濱口桂一郎さんがその著書に詳しく書いています。石油危機後の雇用維持を最優先に考える発想こそが、日本的な職務も勤務地も無限定な正社員モデルを確立させるうえで重要な役割を果たしたとのことです。

他に労働関係では

農協が、男女賃金差別・休憩時間の就労・時間外労働の強制で労働局から是正勧告・指示を受けてます。

その他の記事では、北陸新幹線の建設実施計画発表…って、いったいいつからやってんだ？

サラ金の広告がやたらと多いが、「女性金融、主婦・公務員歓迎。中小企業・ＯＬも可」ってのが面白い。公務員はともかく、主婦歓迎って…奥さん、あなたもわが社の社員ですの時代です。どこのサラ金も「主婦」を歓迎している。

若き田中角栄（首相）と、これまた若き中曽根康弘（通産相）の顔が出ています。おじいさんの中曽根康弘しか知らないので誰かわからなかった。

地獄のごみ屋敷掃除だったが、この新聞は面白かった。