稀勢の里は自分でまだ強くなれると言っていたし
まだ伸びしろは十分にあるが
なくてもいいと思っている。
ボロボロになってたどりつく横綱があってもいいし
さらに強くなる横綱があってもいい。
まだ30歳のあんちゃんなのに
そのあんちゃんが高潔なことを口にする。
「立ち居振る舞いに気をつけなければいけない」とか
「みんなの手本になる力士にならねば」とか。
また絶妙なタイミングで涙を流す。
今どき一筋の涙がツーッとなんて
狙ってできるもんじゃない。
しかも2日連続でやって見せるあたり
たいしたものです。
師匠は表情を出したらいかんと言っていた、と
そういう遺訓を心得つつも
こらえきれずにツーわけですから。
さっそく地位が人を作ると言うけれども
それなりのふるまいにも見えるし
1本芯が通ったようにも見えるし
横綱という地位が稀勢の里を変える。