めまい

お昼から近所の物件を見て回っていて、さいごのお話のときに、かるくめまい。
頭がボヤっとして、それはよくあるいつものやつだと思って、とくに気にしない。

それから、クリーニングやさんへ行って、背広をとりにいく。こんど使うやつだ。
なかなかオバサンがでてこないから、なんども呼んだら、でてきましたがな。
「ああ、あんた、こんなとこにいたらあかん。はよ家に帰って、テレビ見なさい。地震ですごいことになってるから！」

あ、あ、オバサンせびろ、ぼくの背広。


こっからが大変。なにしろ、あのめまいは、遠くの方からやってきた地震だったのだ。



なかでもNHKはかなりスリリングであった。画質がすごい。
しかも、つぎつぎと津波が到達していく。カメラはおそるべき冷徹さで、追っていく。
ぼくはとまどいつつも、目をはなさないでいる。

一気に海水にのまれてしまった道路はどうなるの
一面覆われてしまった田畑に、作物は実らないだろう
引きずり込まれかけている車
ひっくり返った船や、渦を巻くあくた
燃えている建物や、爆発する工場、原発からの避難
アスファルトはガタガタだし、お台場はどろどろで、東京タワーの先っちょがやや傾いたらしい。

震源地もいまいちぱっとしなくて、数ヵ所あり、逃げ遅れた人は数百人といわれている。

崖の上のポニョ、について。なんだかいま思い出したけれども、こうして目の当たりに見てしまうと、恐ろしい。津波のことをナメていたのだね。想像以上だ。