風呂に入るとき、何の気無しに下を見た。
毛臑が足先まである。
親指から小指まで、不揃いだが一応の呈を成している。
自分の下半身を時間をかけて見るのは初めてであった。
不思議なもので、足の裏に踏んでいるのは洗面所のマットで、マットの下には簀の子が敷いてあり、簀の子の感触はマットを挟んで足の裏に伝わってきている。
足の裏は常に地面を踏んでおり、靴下を履こうが靴を履こうが、それごしになにかしらの刺激を踏み抜いている。
刺激が実在するものの形によるのかどうかはさておき、この体験そのものが毎日切れ目無く続いているのは異常なことではなかっただろうか。
それなのに、自分が気付くまで気付かなかったことなのだった。
毛臑が足先まである。
親指から小指まで、不揃いだが一応の呈を成している。
自分の下半身を時間をかけて見るのは初めてであった。
不思議なもので、足の裏に踏んでいるのは洗面所のマットで、マットの下には簀の子が敷いてあり、簀の子の感触はマットを挟んで足の裏に伝わってきている。
足の裏は常に地面を踏んでおり、靴下を履こうが靴を履こうが、それごしになにかしらの刺激を踏み抜いている。
刺激が実在するものの形によるのかどうかはさておき、この体験そのものが毎日切れ目無く続いているのは異常なことではなかっただろうか。
それなのに、自分が気付くまで気付かなかったことなのだった。