さんかくしかく

毎日いろいろな形になってしまうぼくのあれこれ。

須磨

2013年10月04日 | 三角記事
海を見に行った
恋人らが昼過ぎの
ゆるみ切ったひざしのもと
海岸を右へ歩いていた

もう季節外れになったビキニをきて
女がひとり
焼くあてなく寝転がっていた

石を拾いながら歩いた
次の石、次のと交換しながら
手になじむのを探しながら歩いた
もうここへ来たのはずいぶん前のことで
そのときはひとりだったか
ふたりだったか
思い出せないのだった

振り返ると橋のライトがついていて
夕方も過ぎたことを知った

海に行け
と誰かが言ったわけではなかった
海に行こう と
自分で思ったことがすべての今日で
思ったことの今日で
続くのだった