健康を維持し、野菜不足を補うために野菜ジュースやスムージーを飲む人が多いです。
女子栄養大学の林芙美准教授によると、飲みすぎにはくれぐれも注意したほうがいいそうです。
それは加工する過程でビタミンや食物繊維が失われてしまうため、野菜の代わりにはならないとの事。
又、糖や食塩が多いものもあり、飲みすぎるとむしろ不健康になってしまうおそれがあると言います。
トマトに多く含まれるリコピンは、赤・オレンジ色の色素成分です。
活性酸素を消去する作用があり、血中の悪玉コレステロールを低下させる機能が報告されています。
また、β-カロテンは植物がもっているオレンジ色の色素成分です。
抗酸化作用があり、体内ではビタミンAに変換されて目や皮膚、粘膜の健康に役立ちます。
にんじんにはこのβ-カロテンが多く含まれます。
しかし市販の野菜ジュースは製造の過程で一部の栄養素が失われている可能性があります。
また、トマトケチャップなどの調味料は食塩や砂糖などが添加されているものも多く、とりすぎにつながるおそれもあります。
トマトなどは一度冷凍してから自然解凍して調理に使うと細胞壁が壊れてうま味も出やすくなり、調理の手間も省けます。
野菜ジュースやスムージーは野菜を粉砕してつくられるものなので、日ごろ野菜がとれていないと感じている人が思わず手にとるのもわかります。
ただし、市販の野菜ジュースの製造工程では、口あたりをよくする目的で食物繊維が取り除かれます。
また、濃縮還元された野菜汁や果汁などを使うことが多いので、その過程で食物繊維やビタミンなどが損失しています。
野菜は血糖値の急上昇を抑えます。その効果が作用するのは食物繊維のおかげです。
また、食物繊維が豊富な野菜はよくかむ必要があるため、早食いをせずにすみ、満腹感を得られやすくなります。
こうした食物繊維がもたらす健康効果は、野菜ジュースやスムージーにはあまり期待できません。
野菜ジュースやスムージーは砂糖や濃縮還元果汁、食塩などで味が整えられたものもあります。
また、食物繊維が取り除かれた野菜ジュースやスムージーを飲むと、血糖値が急激に上がる可能性があります。
糖質は液体でとると血糖値が上がりやすいため、製造過程で食材の細胞が破壊されている野菜ジュースやスムージーは、栄養素を吸収しやすくなっているというメリットもあります。
また、β-カロテンなど製造過程での損失が少ない栄養素もあります。
そのため、抗酸化作用や機能性成分の供給源としても期待できます。
市販の野菜加工品は調理のひと手間が省けるというメリットがありますが、頼りすぎず、バランスよく使うようにしましょう。
大切なのは目的に合わせて上手に取り入れることです。
野菜ジュースやスムージーを購入する際は、メリットとデメリットを頭に入れて食塩や果汁、砂糖などがなるべく添加されていない、野菜のみのものを選ぶのがいいですね。
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