帰るべき場所と在るべき姿

様々な方の心の奥をリーディングしていくと、
未完了なまま、奥深くに沈んでいる
感情のカケラたちに出会います。

それも、人によって様々な状態で
見えるのですが、一口に抑圧といっても、
一様ではない在り様があるのだな、
とつくづく思います。

ある人は、
激しく暴れるそのエネルギーを分離して、
厚い防弾ガラスの向こう側
といった風な空間に隔離している
状態だったり、

またある人は、
未完了の感情のエネルギーを
レンガのようにガチガチに固めて
積み上げている状態だったり、

あるいは、
何やら靄のようなものの中に
屍をホルマリン漬けにしたかのように
ひたすら静かに、沈められていたり。

そのようにして抑圧された
エネルギーに触れるのに、
割とすぐに触れられる人もいれば、

封印されたその領域に辿り着くまで、
またそれ以前に、それを探り当てるまでに
何段階もの封印を解いて行かねばならない
というケースもあります。

自分だけでそのような状態にしている
場合もあれば、何か別の存在の力を借りて
封じられている時もあって、

どこか、術のようなものに
かかっているような気配が
読み取れることもあります。

この辺は、摩訶不思議な領域で、
私も毎回、何が出てくるのかわからないまま、
掘り進めて行くと、

不思議な世界の不思議な存在が出てきて、
おとぎ話のような話をしてくるのです。

彼らが住まう世界やその存在たちが
本当なのか、その人の心が生み出した
何かの象徴のようなものなのか
わかりませんが、

話の筋を通して交渉し、
対処すべきものを整理していくと、
何やらかかっていた術のようなものが解けて、

その途端に、それまで感じられなかった感情に
アリアリと触れられるようになったり、
杳として手掛かりの得られなかった
隠された部分が明らかになったり
ということがあるんですね。

今のようなセッションをするまでは、
人の心の奥にこんなにも不思議な世界が
広がっているとは思ってもみない
ことでしたが、

たくさんの方のセッションをしていると、
そういうサンプルケースも蓄積してきて、
似たような世界の似たような存在たちが
別々の人のところで活動しているらしい
というのもわかってきました。

こんな不思議な存在がいるんだ～、
とその人だけかと思っていたら、
あれ、この人にも同じような姿の
存在が同じようなことをしている、
という場面に出合ったりするわけです。

そうすると、
世界というのは私たちが目に見ている
領域だけではなく、目に見えない領域もあり、
確かにそこで活動している生き物たちが
いるのだとやはり思えてきます。

まぁその真偽はさておき。

抑圧された感情を解放していく
と一口に言っても、こんな風に
人によって色々なケースがあるので、
一概には言えないところがあるし、

多くの人が、セルフワークで
壁にぶち当たってしまうのも、
さもありなん、と思います。

別の人生の記憶なんてあるんだろうか？
と思っている人が、その別の人生で
しっかり己に刻んだ誓いや契約によって
様々な制限がかかっているなど、
どうして知ることが出来ましょう？

あるいは、
自分の信念、感性だと思っていたものが、
実は自分の中に入り込んでいた
別の存在の思いや感情だったとしたら。

自分とはいったい何者なのか。

そういう異物の要素を限りなく
クリアにしていったとき、
残るものは何なのか。

私自身、まだまだとは思いつつ、
こうした内面に取り組む前と比べて
感じるようになったのは、

自分の人生を大らかに包み込んで流れる
恩寵の感覚でしょうか。

セッションの中で出会う
様々な存在たちや領域も、
この恩寵の内、と思えるので、

彼らもまた、自分と一続きの
自分の一部のような感覚で
対話しています。

異物なのだけれど、
自分の表れの一部でもある、
みたいな感じです。

そして、自分自身の主体意識は、
この一続きの恩寵の側にもう少し
近いところにあるような感じ。

その上で、異物の存在たちには
在るべき場所に帰っていただく
交通整理をするわけですね。

彼らにも、帰るべき場所があり、
私たち自身にも、在るべき姿と
帰るべき場所がある。

そんなことを思いながら。
今日もセッションしています。

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