先に投稿した「中学生までに読んでおきたい日本文学ー全10巻」ですが、ようやく6巻めの「恋の物語」を読み
中でもドッキリとさせられたのが太宰治・・カチカチ山 でした。
ご存知有名なおとぎ話 かちかち山 を読み返した作品です。
ウサギは美少女、狸は醜いスケベーな中年男に設定。狸の片思いをコミカルに展開しています。
まーーよくある中年男が、キャバクラの少女に夢中になり身を滅ぼしたということがあります。
他から見れば、何と年もわきまえず馬鹿オッちゃんだとなりますが、ご本人は純粋と打算が入り混じり、本気なのでしょう。
文中で印象に残ったのは、ウサギが狸に仕返しをすることに対して「美しく高ぶった処女の残忍性には限りが無い。
ほとんどそれは、悪魔に似ている。・・・」と女性のオットロシサを暗示している。
アホともいえる狸ー中年男ーはだまされていると気がつきつつも、もてあそばれたいという気持ちもある。
狸の発した言葉は「惚れたが悪いか」です。
いやーー、この言葉は理屈抜きの腹のそこからの思いかといえる名言です。
オトコとしてドキッ!!とした作品でした。
老いも若きも一読をお勧めいたします。
2に続く