棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

「きぼうのて」展より

2012-06-23 11:06:30 | 山郷の暮し
白光色に照りかえる真夏。真っ赤な花をかざしているが妙に静かで、生活の匂いがない、寂しい画面だ。
バックの白い壁は、グラウンドに立てられた仮設住宅。
コメント作文には、今は何もないけれど、私たちの手できっと花を咲かせてみせる、という強い決意が書かれているという。

子供さんたちの作品は芸術的な抽象作品を目的としてはいませんが、
手を撮影対象に「きぼう」をあらわすという制約は、抽象的表現にならざるを得なかったと思える。
それゆえにより豊な意味(思い)が詰まっている。
話は少し転じますが、展示会などで「抽象作品はわからない」とあっさりと立ち去ってしまう大人たちが多いが、じっくりと観てほしい。
なによりも感じることからはじまり、子供さんたちのように想いをめぐらすことです。

話を写真作品に戻しますと、これらの作品は真正面から自己をさぐり、見据えた力がある。
そのようなことを探ってみると、抽象表現への理解の助けになるとおもいますが・・・。
正に抽象化によって物事の実態に迫る。という、とてつもないことを成し遂げていると感じます。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本