木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

112. 楽器と木材(弦楽器の弓)

2016-05-27 22:36:14 | ウッドデッキ


Photo from Wikipedia

これは弦楽器を弾く時の弓です。
別にこの弓が音を出すわけではありませんが、
弦楽器の演奏には大きく影響し、これも木製のものが使われています。

使われている木材はブラジル産出のブラジルウッドと言う名前の木です。
ちなみにブラジルがある国だからブラジルと言う名前がついたと言う、
木材の名前が国の名前になったと言う世界で唯一の例です。

ではブラジルと言うのは何かと言うと、ブラジリンと言う染料のことで、
この染料を取ることができる木をブラジルウッドと言い、
化学染料が発明されるまではブラジルの主要な輸出品でした。

この木をあるフランス人が「これは弦楽器の弓に最適である」と言うことを発見し、
以来、この木は弦楽器の弓を作ると言う目的だけのために存在しています。

さて、少しややこしいのはこの木に二つの名前があることで、
一つはブラジルウッド、もう一つはペルナンブコ「Pernambuco」と言います
(楽器業界ではフェルナンブコと呼んでいるようです)。

ペルナンブコと言うのは良質のブラジルウッドが取れる地域がブラジルのペルナンブコ州と言うことからついた名前です。
木材は産地や積出港によって名前が変わることは多いので、これもその例だろうと思っていたのですが、
何人かの音楽・楽器関係者と話をしていると、
ペルナンブコとブラジルウッドは、「見た目も性質も加工の具合も全く違う別の木だ。」とのこと。
それで調べれば調べるほど、ベルナンブコとブラジルウッドは同じ木なのか別なのかが分かりません。

ウィキペディアでは簡単にベルナンブコはブラジルウッドの心材の通称と記載がありますが、
楽器の業界では峻別して、ペルナンブコは高級品。ブラジルウッドは普及品となっています。

さてこれから私のペルナンブコへの旅が始まりました。
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111. 楽器と木材(クラシックギター)

2016-05-24 10:54:03 | ウッドデッキ

この写真はクラシックギターです。
フォークギターのようにピックで金属弦をひっかけるのでなく、
爪でナイロン弦をひっかけて音を出します。
さらに大多数の楽器のように単音を出すのではなく、
一度に複数の音を出しますので、
楽器の中で一つの音に与えることのできるエネルギーは最も小さい部類であろうと思います。

かくて、クラシックギターの使命としては、
いかに与えられた運動エネルギーを効率よく音に変換するかと言うことになります。

と言うことでこのクラシックギターの表に使われる板は、
史上最高の音響変換効率の高い木材と言われるカナダ産のウェスタンレッドシダーが使われます。

軽くて寸法安定性が高く腐りに強いと言う木材です。
我が社はこの史上最高の音響特性を有する木材を雨ざらしの屋外設置のウッドデッキの床板に使っています。

まあ会社で言うと、最高の教育を受けて就職した美しい新人女性を、
環境適応性が高いからと言う理由でアフリカの駐在員に出しているようなもんです。

ちなみに強くかき鳴らすフラメンコギターにはレッドシダーではなく、
スプルースが使われていますが、
音の柔らかさや少しのタッチで音が遠くまで届くような繊細な響きはレッドシダーの方が断トツに優れています。
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110. ウッドデッキ DIY

2016-05-04 15:11:59 | ウッドデッキ

弊社で販売しているキットデッキは本格的なデッキでありながら、
ド素人が作ってもプロ以上の仕上がりになる。
と言うのが基本的なコンセプトです。

キットデッキを購入されたお客様が感想と写真を送って頂くのですが、
それを拝見すると時々驚くことがあります。

このお客様の場合もそうです。商品が午前10時30分に到着して、
それから梱包を外して、完成したのは午後3時とのこと。

実質の組み立て時間は半日もかかっていません。
でも仕上がりはプロ以上。
ウッドデッキのDIYでここまでできれば、開発した者としても満足です。
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109. ウッドデッキ施工試験(新調整束)

2016-05-02 15:20:58 | ウッドデッキ
これまで日本では屋外用デッキの調整束としては良いものがありませんでした。
そのため、数年前に弊社で開発した調整束を販売していましたが、
高さ調整は簡単なものの、後で余分な側板をカットして頂く必要があり、
これを何とか改良して、もっと簡単にしたいと何回かの試行錯誤と実験を繰り返し、
ようやくその商品企画が完成したのは昨年の10月。
それから金属部品の型を起こして部品が入荷してきたのは翌年の2月になっていました。

しかしこれで販売はできません。
うちの会社では新しいウッドデッキを販売する時は、
まず社内で何回かの試験をし,問題がないことを確認した後、
お客様の中で会社から1時間以内にお住まいのお客様に無料で組み立てをご提案し、
了解を頂ければ施工試験をさせて頂き最終確認をします。

お客様としてはキットデッキを購入されてご自分で組み立てるところが、
束石の費用も職人の組立費用も無料ですから、ずいぶんお得です。

こちらとしては、施工試験をさせて頂けるし商品の代金は頂けるのでありがたいということになり、
お互いの利益が一致します。

かくて施工試験は全く問題なく推移し、写真撮りや何やらで途中で中断があったものの、3時にはすべて終わっていました。
その後、お客様に組み立てて頂く試験販売もうまく行き、ようやく、キットデッキHARDアマゾンジャラとして販売が開始されたのは4月になっていました。

企画開始から3年。
正式スタートから半年を経て商品化の調整束です。

日本にはこれに匹敵する調整束はなく、弊社一押しの商品ですが、唯一欠点があります。
それは重いこと。1個4~5kgあり、1つの梱包で4個しか入れることができません。
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108. 詐欺サイト

2016-05-02 09:53:19 | ウッドデッキ

ある日、弊社の社員が「このサイトひどい。」と言い出しました。

見てみると、弊社の「キットデッキ」と言うお客様組立の商品を40%値引きで販売しています。

この商品は登録商標でこの名前は他社は使えませんし、卸売りはしていなくて直接販売のみの商品です。
しかしカタログ写真も弊社のものです。

サイト自体はエクステリアメーカーの数多くの商品をそろえていますが、販売している会社は聞いたことがありません。

その会社概要を確認すると
・住所は神戸市でしたがグーグルアースで調べると駐車場でした。
・電話番号はなく、メールの問い合わせのみ。
・支払方法は代引きもカード決済もなく、銀行振り込みのみ。
・銀行の口座名は、会社名ではなく外国人の名前。

唯一の問い合わせ方法である、メールでの問い合わせで、早く商品欲しいと質問すると、
すぐに返事がきました
「振込確認後3日後に発送します。」・・・でも弊社の商品は受注生産なので10日ぐらいかかります。

これは絶対におかしい。
それでIPアドレスを元に調べるとサーバーは中国で会社も実際は中国にあることが判明。
その段階で、詐欺サイトであることが分かりました。

こちらで該当口座のある銀行に連絡しても、警察から連絡がないと何もしないとのこと。
警察に連絡しますが、具体的な被害が出ていないと何もできないし、ネットに詳しい人間もいない。
と言うことで結局お客様に自衛して頂くしかないと言うことでホームページに注意喚起のための記載することにしました。
・・・しかし目の前で犯罪が堂々と実行されているのに誰も何も手出しできないと言うのも困ったものです。

※さらに、また別のサイトでも同様の中国発信の詐欺サイトに弊社の商品が掲載されているのを発見しました。
専門家に聞くと、以前はブランド品の詐欺サイトが多かったのですが、今はホームセンターで販売されているような日用品の詐欺サイトが増えているとのことでした。
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