木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

213.(番外編)周期律を5分で完全に暗記する方法

2019-02-22 17:39:30 | ウッドデッキ
高校で習う化学の基本は「周期律」です。
それぞれの元素の外周電子の数によって化学反応のしくみが理解できるので化学の基本中の基本と言えます。
本来、周期律は族ごとに縦に覚えるのが一番良いのですが、
私が高校時代に、クラスの天才少年のA君が考え出した周期律を5分で完全に暗記する方法があります。
(彼のおかげでクラスの全員が周期律のテストは満点を取りました)
ただ、覚え方があまりにも卑猥なので、オープンな場で説明するのは気が引けるのですが、
これを知っていると知っていないとでは高校の授業の理解度が大きく変わるので、
あえて若い人達のために下記に説明します。

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212.新人教育(木材の知識基本編):木材の割れの算数問題

2019-02-15 13:04:31 | ウッドデッキ
木材は乾燥すると収縮します。
これが板材の場合、乾燥の仕方によっては割れは発生しませんが、
これが芯持ちの丸太の場合、もしくは板材でも芯を入れて製材した場合、必ず割れが発生します。
丁寧に乾燥すれば割れは防げるとお考えの設計の方や工務店の方がいらっしゃいますが、
チコちゃん流に言うと「丸太の円周方向は直径方向の2倍収縮するから、丸太は必ず割れる。」と言うのがその答えです。

上記のように、例えば直径100mmの丸太であれば12.5mmひび割れが入ると言うのは小学生の算数問題のレベルです。
実際には材種や乾燥具合によって割れる大きさは変わりますし、1ヶ所に集中するか分散するかにもよりますが、原則はこの計算どおりです。

しかし、丸太は必ず割れるから悪いのかと言うとそうでもありません。
昔大阪で花博と言う博覧会があり、その政府館の構造物を間伐材の丸太でトラスを組む仕事があり、
当時の建設省の方から、「割れた丸太は使ってはいけない。」と言う指示がありました。
私としては「割れない丸太で作れと言うのは不可能です。」と説明したところ、
それだったら実際に破壊試験をしてどの程度強度が劣るのか確認してみようということになりました。

実物のサンプルをいくつも作って工業試験場で破壊試験をしたところ、
なんと、「未乾燥の割れていない丸太よりも、乾燥して割れた丸太の方が強度が高い」と言う結論になり、
丸太のひび割れは大歓迎と言うことになりました。(確かに木材は乾燥すれば強度はアップしますので)

・・・・・丸太は必ず割れるが、強度においては欠点にはならないことをご認識下さい。
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211.新人教育(木材の知識基本編):木材を腐らないようにする(腐りにくい木材を使う)

2019-02-13 16:23:31 | ウッドデッキ

上記の写真の左はイペ材(南米産)で、右上はウリン材(ボルネオ産)、右下の写真は、イペ材・ボンゴシ(アフリカ産)の混合です。

木材を腐らないように色々な手段を使いますが、もともと腐りにくい木材を使えば、
これがベストな方法と言うことになります。
(実際は価格が高いとか加工が難しいと言うことがありますので、すべてにおいてベストとは言えませんが)

木材は自分の細胞の中に、腐朽菌から身を守るために、「毒」をため込みますが、
特に腐朽菌の繁殖の激しい熱帯では、この「毒」に強力なものがあります。
またこの毒の色が人間にとっては良い雰囲気だったり、綺麗な色だったりします
(黒檀の綺麗な黒やローズウッドの鮮やかな紫だったり、)

一般的に住宅のデッキに使わる木材の中で最も耐久性のある木材は、ボルネオ産のウリン材で、
耐久年数は30年以上あると言われますが、実際に、JISで規程されている腐朽促進試験をすると、
人工木材よりも耐久性は上ですので、世間で言われていることは間違いがないと思います。

ただ、問題は、時々ウリンに代表されるハードウッドはすべて耐久性があると勘違いされていることがけっこう多く、
例えば、ハードウッドでもセランガンバツの耐久性はかなり低いので、同じハードウッドでも用途によって使い分けが必要です。
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210.新人教育(木材の知識基本編):木材を腐らないようにする(防腐処理をする。その3)

2019-02-06 10:09:07 | ウッドデッキ
JASで規程されている防腐薬剤を加圧注入すれば耐久性がアップするのですが、
これをなんでもかんでも加圧注入防腐すれば耐久性が上がると思っておられる方がけっこう多いです。
木材でも含水率が高いと中の水が邪魔をして防腐剤は浸透できませんし、
心材の部分は沈殿物がたまっているので、やはり防腐剤は浸透できません。

ですから、心材はの場合、この上の断面のように防腐剤は表面のみしか注入できません。
よくホームセンターでデッキ用としてSPF材の加圧防腐処理されたものが販売されていますが、
この材の場合、表面のみしか薬剤が浸透していませんので、デッキに使っても、内部から腐って、
とてもデッキ用として使える木材ではありません。

それでは、薬剤の浸透しやすい木材の辺材部分だけを使ったらどうかと言うと、
これが薬剤の浸透性能が抜群で、もともとは腐りやすい木材であった材で、
おまけにその辺材と言うさらに腐りやすい部分は非常に耐久性のある材になります。
ただ、このような辺材だけで材料が作れる木材と言うのは限られていて(丸太の内、辺材部分の比率が高い木材)、
実際には、アメリカ南部地域産出のサザンイェローパインか、ニュージーランド産のラジエーターパインの2種類しかありません。

そのため、ほとんどの木材の場合、加圧注入してもJASの基準は通りませんので、この図のように表面に無数の傷をつけて、
表面から薬剤を加圧注入することができるようにしています。
この傷(インサイジングと言います)があると、手足に触れる部分には使えませんので、
建築の土台等の見えないところにこの処理をされて木材が使われています


下記の写真は国産の間伐材ですが、このような丸太の場合、
周りの辺材は腐りやすいものの、木の組織であるパイプ状の細胞には沈殿物がなく、
加圧防腐すると防腐剤は浸透しやすく、耐久性のある辺材となります。
これに対して中の赤い心材は耐久性のある沈殿物はあるものの、防腐剤は浸透しませんので、
加圧防腐した辺材よりは耐久性は劣ります。
かくて間伐材を加圧注入防腐処理すると、本来腐りやすいはずであった辺材が耐久性のある防腐層になって、
廻りを守っている状態になり、ある意味理想的な防腐処理材と言えます。
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209.新人教育(木材の知識基本編):木材を腐らないようにする(防腐処理をする。その2)

2019-02-04 10:05:14 | ウッドデッキ
強力な加圧防腐薬剤であるクレオソートは、発がん性と皮膚に触れるとかぶれると言う問題があり、
枕木や電柱のような特殊な用途以外は使いません。

そのため、住宅・官公庁物件には、銅系の薬剤で加圧注入処理されるのが一般的になっています。
日本で使われるのはCUAZ薬剤とACQ薬剤と2種類がありますが、
どちらも銅の化学反応の発色で緑とオリーブ色の中間的な色になっています。


この写真の左の木柵は、自然公園の例で、国産の間伐材を加圧注入防腐して使っています。
右のデッキの写真はカナダ産のレッドシダーに加圧注入防腐されたものです。
銅系の加圧防腐薬剤で処理すると、材種により発色が異なりますが、
レッドシダーの場合は特に良い雰囲気の色になり、
さらに塗料のように退色することが少ないので、
わざとこの薬剤で加圧注入することがよくあります。
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