これは長野県の中央道のサービスエリアに昨日立ち寄った時の写真です。
人工木材を住宅に使われる場合は木の色に一番近い薄い茶色等が好まれるのですが、
このサービスエリアには濃いグレーが使われています。
人工木材の欠点の何とも汚くなることや、カビが生えると言うことの対策として濃いグレーは良い選択です。
遠くから見ると色あせたハードウッドの感じで、それなりに良い雰囲気だったのですが、
近づいて見てみると・・・
なぜかカラーコーンが置いてあって・・・・
つまり「近づかないで下さい。足をひっかけてころぴます。」
と言うことです。
アップにするとこんな感じ
こうなる原因は人工木材の最大の欠点「変形する」と言うことが原因です。
遠くから見るとデッキの真ん中がへこんでいるのが分かりますが、
これは大勢の人が上に乗るような場所ですと、人工木材の場合は、木材のように繊維がありませんので、
上から押されて段々変形してきます(写真の奥の屋根のある部分は変形していませんので日射があたって熱くなる部分は特に変形することが分かります)。
かくて真ん中が下がった分、両側が上がってしまって、このようになります。
こうなると補修のしようがなく、使い物にならないだけでなく危険物として存在するだけの状態になります。
補修としては、撤去して、ウリン等のハードウッドに交換するしかありません。
これまで弊社も官公庁物件で多くの人工木材を指定されて施工してきましたが、
結果的に、どれもこれも10年以上使えるものがありません。
人工木材を官公庁が採用した理由は「腐らない」と言うことだったのに。
腐ることに関してはウリンの方が人工木材よりも耐久性のあることが分かり。
でもウリンよりは劣るが耐久性はかなりあるのは事実なので、それはそれで良いとしても、
こんな欠点があると使わなかった方がましと言う状況になります。
基本的に大勢の人が利用する官公庁関係のデッキには人工木材は不向きです。
人工木材がもっともすぐれているのは縦のルーバー等の横荷重のかからないところ。
これがベストです。人工木材の色あせしにくいと言う長所も生きます。
保育園のようなとげの問題を一番気にされるところも人工木材が適しているところと言えます。
これら以外の用途は人工木材は適しているとは言えませんが、
かろうじて個人住宅のデッキの場合は、たくさんの人が上に乗るわけではないので、人工木材もありかなと言うところです。
(人工木材特有の数年経過すると何とも薄汚れてくる欠点については納得の上ですが)
人工木材は木材以上に欠点の多い素材ですので、その欠点をよく理解した上で使うことが必要です。