木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

31. 木材の色の差

2013-06-08 09:48:35 | ウッドデッキ


弊社がメインで扱っている木材の中にウェスタンレッドシダーと言うカナダ産の木材があります。

腐りにくく、狂いが少なく、木材としての雰囲気の良い木材ですが、
欠点と言うか長所と言うか、木の色に差があるのです。
同じ木で同じグレードでありながら、これぐらいの差があるので、
初めて見る人は違う木材と思われます。
そのため、木材を扱ったことがない金属メーカーに部品として納入する時によくトラブルになります。

曰く、「こんなに色の差があっては商品にならない。」

ところが、反対になぜ色を統一したんだと怒られたことがあります。
それは私が入社して数年の若い頃、
カナダ政府の出先機関の内装工事をした時にレッドシダーの指定があって、
わざわざ高いお金を出して色を統一した壁材を納入したら、
「木の色がバラバラなのが良い雰囲気なのに、色合わせをしたら木材の良いところがなくなってしまう。」
とカナダ側からクレームをつけられました。

その失敗から、かなり経過して、同じレッドシダーを、
日本最大の電気メーカーの建材事業部が採用してくれた時に(屋外木製施設部材として)、
木材の色が違い過ぎると検査部署からクレームがつきました。

それで、その会社のデザイナーの方や色彩担当の方にも同席してもらい、検討会をしたところ、
デザイン部署の方は全員「木の色は統一するよりバラバラの方が綺麗。故に現在のままの納入の方が良い。」
となって今に至っています。

でも確かに写真のようなレッドシダーの色の差を見ると、初めてレッドシダーを見る方は
驚くのは無理がないとは思いますが、
レッドシダーを使われた方が一番評価の高いのはこの色の差が混在するところです。
コメント (4)
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