木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

166. ウッドデッキがある場合とない場合の違いその5.

2018-02-03 10:05:12 | ウッドデッキ
ここは中高一貫校の中庭と言うか中庭に隣接した、特に使いようがあるわけでもない場所です。
ここにデッキを作って椅子があれば、生徒たちの憩いの場所になるのではないか・・・でもそんなに予算はないし


・・・と言うことでゼネコンを通さず、直接弊社にPTAから注文がきました。出来上がりはこんな具合です。


使用した材料はウリン材。市販されているウッドデッキ材としては最も高耐久です。30年の耐久性と言われていますが、実際には50年もつのではないかと言われるぐらいのボルネオ産の木材です。


椅子を両側に設置しました。片側の椅子はデッキに固定式。片側の椅子は移動可能ではありますが、かなりヘビーなので文化祭等の場合数人で動かすことができるレベルです。ヘビーな取り扱いでも壊れないような構造です。

詳しくは担当者ブログをご覧下さい。
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165. 「工芸」と言う名の授業

2018-02-03 09:51:38 | ウッドデッキ
吉原先生:工芸担当教諭
私が高校生になった当時、芸術系の科目は、音楽・美術・書道の中からの選択でしたが(今もそうかもしれませんが)、
私が入学した大阪府立豊中高校では、「工芸」と言う選択科目がありました。
中学の時にブラスバンドに入っていた私は、音楽を取るか工芸を取るか随分迷ったのですが、
工芸の授業の評判の良さに、どんな授業かは知りませんでしたがこれを選択しました。

工芸を教えるのは吉原先生と言うちょっと変わった先生。
戦前は小学校の先生だったのですが、なぜか戦後は高校で工芸の授業を持つことになり、その教え方が凄い。
先生が教壇に立って教えることはほとんどなく、生徒がもの作りに興味を持たせる雑談に近い話を少しするだけ。
授業の内容はとにかく何でもよいから1学期の間に作品を提出すれば合格。
吉原先生の哲学は「モノづくりが好きな子に不良はいません。」
授業中のほとんどは先生は不在。
生徒は教室を抜け出して徘徊しようと、食堂に行って昼食を取ろうと好きにしなさい。
と言う方針でありながら、サボる生徒は皆無。

作るものは自由。また使う材料も木でも鉄でもセメントでも何でもあり。
・・・で何を作るかと言うと、実際には加工のしやすい木工をする生徒が多く、
女生徒はブローチを作ったり額縁を作る者が多いのですが、
男子生徒は、本箱のような単純な物から、バイオリンを作る者、
モーターと組み合わせて、レコードのターンテーブルを作る者から色々。
それぞれがそれぞれに影響しあって、モノづくり熱が過熱。

先生は時々、我々のところにやってきて、自分で家を作った時の話や、
こんなものを作った生徒がいると作品を見せて雑談をしにやってくるだけ。
たまに、木材の簡単な接合方法を教えてくれたりするのですが、
これが中学の時に習った技術家庭の内容とは全く違う方法で、
今から考えるとアメリカ・カナダのDIYの手法に近かったように思います。
16歳の私にとっては高校というのは文化が違うんだと思った授業でした。

吉原先生はその後、お子さん二人が住んでいたカナダに移住され、
その地で永眠されましたが、豊高時代の印象に残る先生の一人でした。

今、そのような選択科目は豊中高校だけでなく、大阪府立の高校でもないようですが、
あれほど「もの作り」に興味を持たせる授業がなくなってしまったことは誠に残念なことだと思います。
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