木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

141. オーダーメイドデッキ

2017-08-31 15:37:02 | ウッドデッキ


弊社は官公庁の屋外木製施設を作っています。
(例えば水車を作ったり、遊歩道の手摺を作ったりです)

大阪の某テーマパークについても、その屋外木製構築物のほとんどは弊社が設計施工をしましたが、
これらをできる木材の腐朽に対する知識と技術レベルの業者は日本に数社しかありません。

また、日本で一番の電気メーカーさんの商品に組み込む木製商品の製造をしていますが、
この金属と嵌合する木材と言うのは、非常に精度が必要で独特の管理技術が要求される分野です。

・・・で、これらが関係するのかどうか分かりませんが、
個人住宅のデッキを弊社が設計施工する場合は、他社とは違う何か大きな差があります。
(品質であったり、デザインであったり、後々のメンテナンスのことであったり)

この何かを説明するために、担当者は毎回苦労しています。
出来上がりを見ると皆様納得されますが、
施工してから30年経過するとさらに納得されると思います。

詳しくは担当者ブログをご覧下さい。
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140. イペとウリンはどちらが耐久性があるか

2017-08-30 13:28:24 | ウッドデッキ


イペ材はブラジル産のハードウッド。ウリンはボルネオ産のハードウッド。
価格が高いのはイペ材です。また雰囲気もイペの方が華やかさがあり、高級な材を使ったと言う雰囲気があります。

どちらが耐久性があるかというと、JISの腐朽促進試験をするとイペはかなりの耐久性がありますが、ウリンよりは劣ります。
しかし、価格が高いこともあって、イペの方がウリンよりも耐久性があると思われている方がプロもアマも含めてけっこういらっしゃいます。

上記の例は木材として一番過酷な使い方・・・「地面の中に埋めて使う」と言うことをやってみたらどうなるか
・・・当初の予測としてはどちらの材も問題ないだろうと思っていたのですが、
8年経過したものを外して確認すると、ウリンは裏も表も全く問題がないにも関わらず、
イペは、表は大丈夫でしたが、土に埋められていた裏面は、腐朽しています。

ウリンは凄いなぁ。やはりこの木は世間で言われているようにデッキに使うと30年以上のの耐久性があると言うのは本当のようです。
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139. 原点その2:カナダを知った時

2017-08-29 08:53:51 | ウッドデッキ

私が大学を出て、他の会社に2年いた後、家業の木材会社に入社した頃、
日本の木材産業も木造住宅産業も無法地帯でした。
木材の品質を統制するはずの品質基準であるJAS自体が、
素人が見ても分かるぐらいおかしい基準でしたし、
当然そのような基準に基づいたJAS製品は皆無の状態。
さらにそれを使う木造住宅産業はいい加減を通り越してでたらめ状態。
私はほとほと、自分達の木材産業と木造住宅産業と言うものに嫌気がさしていました。

こんな時、当時の建設省が音頭をとってカナダのツーバイフォー建築を学ぶための30日間の研修ミッションに参加をすることになり、
バンクーバーの職業訓練学校(今は工科大学になっています)で特別コースを受講した時の驚き。
・・・何という合理的なシステム。・・・材料も販売方法も建築のシステムも、さらに役所の検査まで。

日本がこの国に追いつくのには20年はかかるだろう

と言うのがその時感じたことです。今はあれから半世紀以上が経過し、
ハード的な環境は追いつきましたが、今はこう思っています。

「日本がこの国には20年しても追いつけないだろう。」

ウォシュレットをはじめ住宅設備については日本はカナダを完全に追い越していると思いますが、
根本的な考え方と文化の違いに起因する木材や住宅のシステムについてはまだまだ大きな差があります。

嘘だと思われる方は統計数字をご覧になると、日本の木造住宅の耐久年数がカナダの半分しかなく、
価格が2倍するのがご理解頂けると思います。
・・・でも幸いなことに、強度については、日本の木造住宅の強度はカナダの1/3しかなかったものが、
(当時の建設省が実物を作って破壊試験をした結果です)
40年経過して今はようやく追いつきました。
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