映画「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」を鑑賞した、2024年製作、120分、監督上田慎一郎(1984)、原作ハン・ジョンフン「元カレは天才詐欺師 38師機動隊」、脚本上田慎一郎・岩下悠子、平日だが30人は来ていたか
真面目な税務署職員と天才詐欺師が手を組んで脱税王から10億円を奪い取るべく奮闘するドラマ
税務署に勤める定年10年前の真面目な公務員熊沢二郎は、天才詐欺師氷室マコトの詐欺に引っかかり中古車の購入代金を騙し取られてしまう、刑事である親友の助けで氷室を探し出すが、氷室は熊沢が追っている脱税王を詐欺にはめ、脱税した10億円を詐取する計画を提案し、自分を見逃してほしいと言う、熊沢は犯罪の片棒を担ぐことに戸惑いながらも、自身のある復讐のため氷室と組むことを決意、2人はクセ者ぞろいのメンバーによる詐欺師集団「アングリースクワッド」を結成し、壮大なミッションに挑むが・・・
主人公の税務署職員熊沢を内野聖陽 (1968)、詐欺師氷室を岡田将生(1989)が演じ、川栄李奈、森川葵、後藤剛範、上川周作、真矢ミキ、鈴木聖奈が共演
鑑賞した感想を述べよう
- 面白い映画だった、何度かどんでん返しがあり、ハラハラした
- 監督は「カメラを止めるな!」の上田慎一郎、あの映画には度肝を抜かれた経験があり、そんなこともよく確認せずに観た今回の映画だったが、さすが上田監督だと思わせる予測不能な展開の面白い映画だった
- 脱税王から大金を騙し取る方法は、所有者に成りすまして土地を売る地面師詐欺であった、先日観た「地面たち」と同じ詐欺手法がここでも使われていることに驚いた、その地面師詐欺について、騙したと思ったら見抜かれ、しかし最後はどんでん返しがあるなどハラハラする展開に手に汗握った
- 地面師が脱税王と架空土地取引の契約をして売買代金の決済をする場面が不自然だと思った、決済は現ナマであるが実務では有り得ないでしょう、また、ストーリー上の重要ポイントとなる現ナマのお札のカウンターについても、この場所がどこなのか映画の中ではわからなかったが、事前に映画であったような物理的な設定をするというのも有り得ないと思った
- この物語では主人公の熊沢の務める税務署の署長が脱税王と裏でつるんでいるという設定だが、さすがにいまどきこんなことは有り得ないだろうなと思った、もうちょっと有り得そうな現実的な設定ができないものかと思った
- 税務署職員役の内野聖陽がうまく生真面目で定年まで無事に勤め上げることが最上の命題である税務署職員をよく演じていた、彼がこんな役を演じることができるとは知らなかった
- 脱税王を演じた小澤征悦(おざわ ゆきよし、1974年)は、指揮者で昨年亡くなった小澤征爾の息子、俳優をやっており配偶者はNHKアナウンサーの桑子真帆であることなど何も知らなかった、映画で初めて観たがなかなかうまい演技だったと思った
- 詐欺師役の岡田将生(夫人は女優の高畑充希)だが、色白のスリムで背の高い上品な感じが役柄と全然合っていないと思った、また、詐欺師だが家族の暗い過去がある設定にもイメージが合っていないと思った、やはり最近のNHKの朝ドラ「虎に翼」の裁判官役のイメージが強烈に残っているためか
- 詐欺集団のメンバー役の上川周作も朝ドラ「虎に翼」の虎ちゃんの真面目な兄役の印象が強かったが、この映画での紙幣偽造役もけっこう似合っていた
楽しめました