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「MOTアニュアル2024こうふくのしま」を鑑賞する

2025年02月10日 | 美術館・博物館

東京現代美術館で開催中の「MOTアニュアル2024こうふくのしま」を観に行ってきた、1,300円

この日は平日だったが、あさイチの開館10時過ぎに美術館に到着すると入口に続々と人々が入っていく、小学生などの課外事業かなと思ったら若い大人たちだった、何だろうと思ったら開催中の展覧会「坂本龍一 / 音を視る 時を聴く」展を観る人たちだった、館内に入場待ちをする行列があり、待ち時間40分と書いてある、ざっと見た感じでは200人くらいは行列に並んでいたのではないか

私はその展覧会ではなく「MOTアニュアル」展の方で、直ぐに入れた、展覧会の説明によれば、「MOTアニュアル」展とは現代美術から新たな側面を引き出すグループ展で今年は20回目の開催、副題にある「しま」は、今回出展する4名の作家が拠点を置く「日本」の地理的条件に対する再定義を含んでおり、自身の足元を起点にしながら、より大きな文脈や関係へと開かれており、多様なアプローチを通じて、現実の世界を視覚的に置き換え、描き出すことにより、身のまわりや自己の多義性や重層性と対峙する、彼らの作品は、作者の解釈や意図を超え、見る者がそれぞれの視点や感覚、経験を通して主体的に意味を見出すための装置として働き、それぞれに異なる見かたや感じかたを促す、と説明されている

現代美術はなんでこんな小難しい説明をしないといけないのか

展覧会場に入っていき、順路に従って観ていくと、展覧会場は4人の作家ごとに一部屋が割り当ててあった、各作家ごとの簡単な紹介と自分が鑑賞して一番気に入った作品を紹介したい、なお、すべての会場を観た後にエレベーターで下の階に降りると4人の作家へのインタビュー動画が見れるようになっており、それもじっくりと聞いて参考にした

清水裕貴(しみず ゆき、女性、1984)

写真とテキストで構成されたインスタレーションから、中国の大連と東京湾岸を舞台にした物語「星の回廊」を制作したもの、土地・海・湾の歴史や伝承、現実と幻想が混ざっている、これらの作品で作家が立脚する土地の輪郭をとらえようと試みている

川田知志(かわだ さとし、1987)

戦後の日本社会を特徴づける都市部と郊外の風景を主題として、フレスコ技法を軸とした全長約50メートルの壁画を描いた、四角い展示室のすべての壁面が一つの作品になっている驚きの絵画

臼井良平(1983)

日常の些細なものや状況を再現したインスタレーションを通じて、見る者に新たな視点を提示、特にプラスチック製品の形をガラスで繊細に再現するところに特徴がある

庄司朝美(1983)

描くこと/見ることの身体性を強く意識させる絵画により、作品内外の世界を結びつけようと試みた、アクリル板やカンヴァスに作者自身の内なる場が描かれている、画中には鳥や動物、亡霊などが交錯し、ホラー的な作品に見えた

感想

  • みな若い作家で、ユニークで意欲的な作品だと思った
  • 清水氏の作品「星の回廊」の説明(作品解説の小冊子と会場の音声説明)には、作品に関連する遼東半島の歴史に触れ、「日露戦争で勝利した日本はロシア帝国から大連の租借権を継承し、関東州と称してその地を足がかりに満州全土を軍事支配、傀儡国家の満州国を建国した」とあるが、若者が戦前の日本の行動を悪とする戦勝国史観に感化されているのを見る思いがしていやな気分になった、芸術にこのような偏った史観を持ち込まないでほしいし、むしろ芸術を通じてこういう偏向思想から解放してほしいと思った
  • 運営面では、作品リストがないのが不満である、壁のある個所に作品番号と作品名が書いてあるものもあったが展示作品との結び付けがわかりずらい
  • 室内が暗すぎて文字が見えにくいし、配布される説明書が読みずらかった

約1時間20分くらい鑑賞した、勉強になった

さて、鑑賞後ちょうど昼時となったので、館内のカフェ&ラウンジ「二階のサンドイッチ」で昼食にした、1,370円とちょっと高めのカフェだった

坂本龍一の行列にはまだ100人以上並んでいた



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