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東京・春・音楽祭「中野りな&ルゥォ・ジャチン」を聴きに行ってきた

2024年03月27日 | クラシック音楽

東京・春・音楽祭の「中野りな(ヴァイオリン)&ルゥォ・ジャチン(ピアノ)」に行ってきた。場所は旧東京音楽大学奏楽堂、4,500円、7割か8割方埋まっていたか、中高年の人が多かった。14時開演、15時45分終演。今日の公演はライブ配信するとのアナウンスがあった。

この奏楽堂はたまたま昨年、偶然見つけて内部を見学したところだった(その時のブログはこちら)。この施設は台東区の所有になっている重要文化財であるが、大ホールは今でも演奏会などに利用されていると説明されていて驚いた記憶がある。

それが今回、東京・春・音楽祭で、しかも、先日目黒パーシモンホールで観たばかりの中野りなが出演する公演で使われているなんて、なんていう偶然だろうか。今日は楽しみにして来た。

出演

ヴァイオリン:中野りな
ピアノ:ルゥォ・ジャチン

ルゥォ・ジャチンは1999年、中国・湖南省生まれの25才。2011年、武漢音楽学院附属中学校に入学し、フー・ヤンに師事。卒業後渡米し、オバーリン音楽院でロバート・シャノンに師事。現在、ニューイングランド音楽院でダン・タイ・ソンに師事している。既に、2022年、第8回仙台国際音楽コンクールピアノ部門で第1位など数々のコンクールで入賞している新進気鋭の若手ピアニストだ。

曲目

シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 op.105
パガニーニ:「こんなに胸騒ぎが」による序奏と変奏曲 イ長調 op.13(ロッシーニの歌劇《タンクレディ》より)
パガニーニ:24のカプリース op.1 より
 第4番 ハ短調
 第24番 イ短調
ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ短調 op.31
サン=サーンス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ短調 op.75

[ アンコール曲 ]
クライスラー:ウィーン奇想曲 op.2

今日は何と言っても先日観て感動した中野りなのヴァイオリンの演奏に注目した。今日の中野は薄いピンクのドレスに身を包み、シューマン、パガニーニ、サン=サーンスの各曲のヴァイオリンを演奏してくれた。今日は彼女を真正面の席から観られたので演奏中の彼女の表情がよくわかった。彼女は演奏中、演奏の内容に合わせて朗らかな顔をしたり深刻そうな真剣な顔をしたり結構表情豊かであった、体も曲の調子に合わせて先日よりは前後左右に動かしているように見えたがそんなに大げさな動きではないところが上品だ。

今日彼女が弾いた曲では、パガニーニの「こんな胸騒ぎが」と「24のカプリース作品1の24番」(先日のアンコールで弾いた曲でもある)がよかった、この二つの曲はいろんなバイオリンの弾き方すべてが演奏中に出てくる曲だと思う、それを中野は実にうまく弾いていたように感じた、若いのに結構技巧派ではないかと思った。弾いている姿を見ると、パガニーニの24番の作品24は得意な、あるいは好きな曲なのではないかと感じた。

今日は昼過ぎから雨の天気予報で、開演直前からパラパラ降ってきた。ところが終演間近になると奏楽堂の窓に春の日差しが差し込んできた、太陽もこの二人の演奏に感動して顔を出したと思えた。

今日もホール外の廊下で中野の2枚のCDの販売をしていた、どんな曲を演奏しているのかちょっとのぞいてみると、モーツアルト、バルトーク、ゴダーイ、リヒャルト・シュトラウスなどだった、これに先日のシベリウス、今日のシューマン、パガニーニ、サン=サーンスを加えると、既に幅広いレパートリーを持っているのだなと感心した。

このままいい指導者のもとで研鑽を積み、実戦経験を積んでいけば、きっと歴史に名を残す素晴らしいヴァイオリニストになるでしょう、また、海外でも活躍できるでしょう、というかそうなって欲しい。今後の彼女の成長を見守りたい。

ピアノのルゥォ・ジャチンももちろん素晴らしかった、特に彼の独奏のショパンのスケルツォ 第2番が熱が入っていてすごい演奏だと思った。

充分満足した公演でした。



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