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歌劇「ボエーム」をテレビ観劇する

2025年01月13日 | オペラ・バレエ

NHKクラシック音楽館で放送していた井上道義指揮の最後のオペラとなった「ボエーム」をテレビ鑑賞した

指揮/井上道義
演出・振付・美術・衣裳/森山開次

出演 

ミミ:ルザン・マンタシャン(Ruzan Mantashyan、アルメニア、ソプラノ)
ロドルフォ(詩人):工藤和真(テノール)
マルチェッロ(画家):池内 響
ムゼッタ(マルチェッロ恋人):イローナ・レヴォルスカヤ(Ilona Revolskaya、露、ソプラノ)
コッリーネ(哲学者):スタニスラフ・ヴォロビョフ
ショナール(音楽家):高橋洋介
ベノア(家主):晴 雅彦
アルチンドロ(年配紳士):仲田尋一
パルピニョール(おもちゃや):谷口耕平
ダンサー:梶田留以、水島晃太郎、南帆乃佳、小川莉伯

合唱:ザ・オペラ・クワイア
世田谷ジュニア合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団
バンダ:バンダ・ペル・ラ・ボエーム(「バンダ」とは、オーケストラなどで、本来の舞台上の編成とは別に、離れた位置で「別働隊」として演奏する小規模の演奏者のこと、 舞台裏や客席、いろんなところで演奏する)
2024年9月23日、東京芸術劇場

2024年末での引退を宣言している指揮者・井上道義が、自身最後となるオペラに選んだのは、“最愛のオペラ”と語る『ラ・ボエーム』の新制作、演出には、深い信頼を寄せる舞踊家・演出家の森山開次

森山氏の演出は、「パリの物語を日本に近づける」をコンセプトに、画家役のマルチェッロを若くしてパリで活動していた日本人画家・藤田嗣治に設定し、マルチェッロを着物姿の藤田の風貌にして、藤田の愛した猫たちは子供コーラスとして出てくるが、「ラ・ボエーム」の基本的な世界観は維持されている、振付家の森山らしいのは、4人のダンサーを黒子的に登場させて、ミミのロウソクの火を消す役を演じていたりして、演出効果を高めたことなど

「ボエーム」のテーマは、ボヘミアンの青春、愛、そして死、「ボエーム」とは、「ボヘミアン」のこと、1830年当時のパリに多くいた芸術家の卵たちはみな貧しく、けれども、みな希望に胸あふれ、活き活きと過ごしていた、そんなボヘミアンの特別でない日常的な風景をこのオペラは描き出す、作曲したプッチーニも20代で故郷ルッカからミラノに出て、苦学に励んでいたことから、このオペラに特別な愛着があったと言われている

観劇した感想を述べたい

  • 私はこのオペラはあまり好きではない、なぜなら悲恋、悲劇だからだ、最初から最後まで「暗い」のだ、「椿姫」も暗いが第1幕に華やかな雰囲気があるだけマシだ、ただ、このオペラはCDも持っているので何回も聴いているので音楽は良く覚えているが、なかなか「好きだなー」とはならない
  • 好きではないが、レコードやテレビ、公演とあらゆる機会に聴き続けていると、ある時突然、その良さがわかることがあるから聴いている
  • 従って、今回の井上指揮の演奏も良いのか悪いのか自分の評価の基軸がないので判断できなかった
  • ただ、森山開次の新制作の演出、振付、美術、衣装は非常に良かった、特に第2幕のクリスマスのカルティエラタンの場面はカラフルで良かった、また、その時に出てくるパルピニョール(おもちゃや)の谷口耕平の衣装、パフォーマンスが奇抜で良かった
  • 歌手陣であるが、みんなそれなりに頑張っていたと思う、その中で主役のミミ役のルザン・マンタシャン(Ruzan Mantashyan )が良かった、スリムで美貌で、歌もまずまずだった、ミミのイメージにピッタリの歌手で、既にヨーロッパの名だたる歌劇場で主役級の役を務めた実績がある、よくこんなすごい彼女を呼べたなと思った
  • ムゼッタ役のイローナ・レヴォルスカヤ(Ilona Revolskaya)も美貌で役柄に合っていた、ただ、ムゼッタが歌う場面はそれほど多くないので歌唱力は判断できなかった、また、彼女はまだ実績は少ないようだが将来が楽しみである

  • ロドルフォ役の工藤和真であるが、歌はうまいと思ったが、貧乏なボヘミアン役なのに太目な体形であることが如何なものかと思った、日曜日に放送中の「坂の上の雲」で正岡子規を演じていた香川照之は闘病中の子規を演じるのに、本当に病気になったのではないかと思わせるような痩せぶりだったのには驚いたし役者根性を見た思いがした、オペラ歌手は単なる歌手ではなく役者でもあるのではないか

楽しめました



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